2017/12/09

吉田整形外科病院・五ヶ丘整形外科リハビリテーションクリニックを見学してきました 6, Dec., 2017


吉田整形外科病院と五ヶ丘整形外科リハビリテーションクリニックを見学させて頂きました。

二つの施設の主任理学療法士をされている中宿伸哉先生は同じ平成医療専門学院の出身です。私の方が学年が1つ上(年齢は8つ上です)なのですが、学生時代から頭脳明晰でイケメン、卒業してからも臨床・研究・教育と飛ぶ鳥を落とす勢いで活動され、理学療法士の世界では知らない人がいないスーパー理学療法士です。私も所属している整形外科リハビリテーション学会では、若くして理事・支部長も務められています。

私には雲の上の存在なのですが、今年の9月に京都下鴨病院に見学にお越しくださり、今回は私が見学させていただくこととなりました。

吉田整形外科病院には300平米ほどのリハビリ室があり、とても設備が整っていて羨ましい限りでした。五ヶ丘整形外科リハビリテーションクリニックにも200平米を超えるリハビリ室が2部屋あり、各トリートメントベットの横に電子カルテが置かれ、リハビリ室内にいつでも使用可能な超音波画像診断装置が置かれた部屋もあり、こちらの施設も素晴らしい環境でした。この両施設で30名ほどの理学療法士が勤務しておられます。

中宿先生は両施設の管理と指導をされながら、臨床・研究・教育・講演活動とマルチに活躍されていて、本当に凄いの一言につきました。そんな中宿先生のテクニックと直向きに理学療法を行なっているスタッフの先生方の姿勢に感銘を受けた見学となりました。

今回の見学で学んだことを京都下鴨病院でも取り入れて、当院理学療法部と患者さんに還元していければと思います。

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第28回京都府理学療法士学会に参加しました @京都橘大学 3, Dec., 2017


第28回京都府理学療法士学会に参加しました。
私は、回生病院関節外科センター附属理学療法部 山田英司先生の特別講演「変形性膝関節症に対する保存的理学療法戦略」で座長を務めさせていただきました。


京都下鴨病院から4名が口述発表をしました。

術前からの歩行時痛が残存していた腰部脊柱間狭窄症の一症例 大渕篤樹 先生

関節鏡視下術後に生じた膝前面痛の解釈-外側半月板損傷に対して関節鏡視下縫合術が施行された一症例- 小林駿也 先生

靴脱ぎ動作時に鵞足部痛を認めた症例の理学療法経験 鷲見有香 先生

しゃがみ込み動作時に膝関節後内側部痛を呈した症例の評価と治療-半膜様筋の解剖学的特徴に着目して- 高橋蔵ノ助 先生

どの発表も解剖学に基づいて病態を解釈して、治療成績をだしたといういい内容でした。

特に、小林駿也先生、鷲見有香先生、高橋蔵ノ助先生は今年入職した1年目の先生方です。とても1年目とは思えない堂々とした発表でした。彼らの発表にあたり、先輩として指導した当院理学療法部スタッフの努力には頭が下がります。

当院理学療法部では、1年目の先生方の学術活動の登竜門として、この京都府理学療法士学会での発表を目標としています。

臨床で患者さんと向き合うことは当然として、そこで考え、学び、得られた知見をしっかりと学術の領域で形にすることが、理学療法士としての成長に繋がると考えています。技術だけ、知識だけ、では成長は成し得ません。

我々、臨床家の行う研究は決して派手なものではありません。もちろんノーベル賞のような人類の発展に貢献するような研究でもありません。でも、患者さん一人一人の人生に関わる重要な役割を与えられた職種である以上、コツコツと研究していく必要はあります。

4人の先生方は、今回の発表と準備を含めて多くを学んだことと思います。さらに努力を重ねて、いい臨床家になってもらいたいと思います。

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第34回マイルCS(G1)を観戦しました @京都競馬場 19, Nov., 2017


第34回マイルCS(G1)に京都下鴨病院 理学療法部のスタッフで観戦に行きました!
福永祐一騎手が特別に検量室前へご招待してくださいました。

福永祐一騎手、小坂忠士騎手、クリストフ ルメール騎手、藤岡康太騎手と当院理学療法部スタッフで記念写真を撮って頂きました。

普段は忙しく臨床、研究と頑張っている理学療法部のスタッフみんなと楽しく思い出に残るひと時となりました!

第16回下鴨整形外科疾患フォーラム @ANAクラウンプラザホテル京都 18, Nov., 2017


第16回下鴨整形外科疾患フォーラムに参加しました。

「外傷性軟部組織欠損の再建-疼痛問題も含めて-」
京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科 准教授 池口良輔先生

「目立たない傷あとにするためのベストプラクティス-創傷治癒の最新理論、閉創手技から術後ケアまで-」
日本医科大学 形成外科 主任教授 小川令先生

お二人のご高名な先生方の講演を拝聴しました。
術創部の肥厚性瘢痕やケロイドの発生要因と治療方法について学ぶことが出来ました。
TKAなどの術後に創部への伸張ストレスには注意をしているつもりでしたが、今回聴講したことで、徒手操作時の方向や創部へのストレスを軽減させるための深度について学ぶことができ、理学療法へ応用するべき知見を得ることが出来ました。

勤務している京都下鴨病院主催で定期的にこのようなフォーラムが開催されていることに感謝して、これからも臨床で患者さんに向き合っていきたいと思います。

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第57回近畿理学療法学術大会に参加しました @びわ湖ホール 12, Nov., 2017


第57回近畿理学療法学術大会に参加しました。
京都下鴨病院からは2演題発表しました。

鎖骨骨折術後に生じた肩関節拘縮について〜上肢挙上制限に対して棘鎖角に着目した一症例〜 佐々木拓馬先生


腓骨遠位端骨折術後に出現した歩行時痛の解釈と軟部組織の鑑別 天鷲翔太先生
2人とも何度も予演会をして推敲したいい発表でした。

特に何も言わなくても、ほとんどの理学療法部のスタッフが学会に参加して、同僚の発表を暖かく見守るという当院スタッフの団結力が今の京都下鴨病院 理学療法部の強みです。

発表した2人を中心に会場前の琵琶湖を背景に集合写真を撮りました。

病院・クリニック合わせて16名で、他院と比較して人数が多い組織ではありませんが、これからも一致団結して臨床、研究、教育に取り組んでいきたいと思います。

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2017/12/06

MSMCみどりクリニック&京都下鴨病院合同 股関節リハビリテーション勉強会@京都橘大学 11, Nov., 2017



MSMCみどりクリニックと京都下鴨病院の股関節リハビリテーション合同勉強会が京都橘大学を会場に開催されました。
産業医科大学若松病院の内田宗志先生が股関節唇損傷の診断と手術について、最新の知見も交えてご講演くださいました。
京都下鴨病院からは為沢一弘先生が股関節疾患の評価と病態解釈について、團野翼先生が股関節疾患に対する体幹トレーニングについて講義させて頂き、私が運動療法の実技を担当させて頂きました。
MSMCみどりクリニックの瀬戸口芳正先生の「お互いの得意分野をシェアしましょう!」というご提案から、今回の勉強会が実現しました。
次回は投球障害について私たちが三重にお邪魔して勉強させて頂く予定です。
今回のような施設間連携が多施設で行われることが、リハビリテーションの発展や患者さんにとって、とても有益だと考えています。
今回の勉強会では、京都橘大学の横山茂樹教授のご厚意で、勉強会の会場として大学施設を使用させて頂きました。
今回のような活動が、リハビリテーション医学の臨床、研究、教育の架け橋になればと思います。

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2017/11/05

EPoch主催のセミナーで2日間の股関節ハンズオンセミナーをします。


【2日間実技講習会】

股関節疾患に対する機能解剖学的運動療法〜鼡径部痛からTHAまで〜


日時:平成30年2月3日(土)・4日(日) 2日間
   両日ともに10時30分開始、16時30分終了


参加費:21,600円(税込)

募集人数:20名限定

講師:小野志操
京都下鴨病院 理学療法部 主任理学療法士 
専門理学療法士(運動器)
整形外科リハビリテーション学会上級指導員(認定AA)
修士(健康科学)

実技講師:1名(整形外科リハビリテーション学会認定B取得者)

セミナー内容
【概要】
 日本人では臼蓋形成不全股が多く、関節不安定性に起因した股関節周辺部痛がみられます。一方、Femoro-acetabular Impingementの概念が提唱されて以降、股関節唇損傷にフォーカスが当てられることも少なくありません。
 本セミナーでは股関節周辺部痛の病態と股関節周囲の解剖について解説した上で、病態解釈の基本となるX線画像やMRI画像の見方と解釈の仕方、FAIを含む股関節周辺部痛の解釈、変形性股関節症の成り立ちとTHA手術後の脱臼予防の考え方と具体的な運動療法の紹介、触診技術と具体的な評価方法および運動療法について、実技を中心に紹介していきます。

プログラム
【第1日目】
●股関節の形態と解剖学的基礎知識
●鼡径部痛(含むFemoro-acetabular Impingement)の解釈
●画像所見の見方
●変形性股関節症の病態 〜一次性と二次性について〜
●THAの手術と脱臼予防の考え方と運動療法の紹介(症例ビデオ)
●股関節の評価に必要な触診(実技)
【第2日目】
●股関節周辺部痛に対する評価と運動療法の実際(実技)

詳細・申込はEpoch websiteより

2017/10/21

第44回日本股関節学会で発表してきました @京王プラザホテル東京 20-21, Oct., 2017


第44回日本股関節学会に参加してきました。京都下鴨病院からは私と為沢一弘先生が発表をしました。為澤先生は「股関節開排動作における小殿筋の関与について」、私は「アスリートにおける片側性股関節唇損傷症例の特徴〜単純X線立位骨盤正面像による腸骨開大指数を用いた検討〜」について発表しました。


先々週の肩関節学会に続き今月2回目の東京でした。最高気温が12℃という肌寒い中、学会会場はホットでした。今回の学会では自分としては久々にTHAに関する演題や講演を聴講しました。Up to dateされた内容もあり勉強になりました。

これで今年の学会発表は終了ですが、これからも臨床での疑問を私に出来る手法を用いて、一つずつ解決することで患者さんを良くするために努力していきたいと思います。

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2017/10/07

第44回日本肩関節学会・第14回肩の運動機能研究会・第1回肩の看護研究会・The 1st Asia-Pacific Shoulder & Elbow Symposiumで発表してきました @ 新高輪プリンスホテル, 6-8, Oct., 2017



第44回日本肩関節学会と共同開催されている第14回肩の運動機能研究会に私と永井教生先生、團野翼先生、服部隼人先生の4人で参加しました。

私は「リバース型人工肩関節置換術後可動域改善に対する工夫とその効果」についてポスター発表を、團野先生は「反転型人工肩関節置換術後の上肢挙上可動域に影響する因子の検討」について口述発表をしました。

肩関節の治療について多くを学び、刺激を受けました。今回の学会は日本で開催されていましたが、海外からの招待スピーカーも多く参加されていて、国際色豊かな学会でした。

再来週には日本股関節学会での発表が控えています。今年の学会発表もいよいよ最後の一つとなります。今回発表した内容を論文にまとめながら、再来週の準備も進めていきたいと思います。

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2017/09/24

第26回整形外科リハビリテーション学会学術集会に参加しました @ 吹上ホール 23-24, Sept., 2017


第26回整形外科リハビリテーション学会学術集会に京都下鴨病院・烏丸御池整形外科クリニックの理学療法士全員で参加しました。

團野翼先生:「肩関節挙上時に肩後方から肩甲帯に出現した疼痛の解釈〜肩甲上神経の解剖学的特徴に着目して〜」

中井亮佑先生:「変形性肩鎖関節症における疼痛の解釈〜肩甲上腕関節の拘縮の影響〜」

堀内奈緒美:「足部多発骨折後に続発した感覚障害に対する評価と治療〜内側足底動脈の血流障害が感覚障害の原因であった一症例〜」

佐々木拓馬先生:「外側半月板切除後に生じた後外側部痛の解釈」

京都下鴨病院からは以上の4演題を発表しました。日々の多忙を極める臨床の中で、一症例と真摯に向き合い、治療結果を出した上で、個々の患者さんの病態を解剖学的に解釈してまとめてあり、どの演題も興味深くよく考えられていました。

私も10月に肩機能研究会、日本股関節学会での発表が続けざまに控えています。当院の若手の先生方に負けないようしっかり準備して臨みたいと思います。


今回、整形外科リハビリテーション学会人材育成プランにおいて、上級指導員(認定グレードAA)に合格しました。AAの資格に恥じないよう、研鑽を重ねていきたいと思います。

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2017/09/19

騎乗フォームの研究


騎乗フォームの修正(左が修正前、右が修正後)

最近では競馬騎手の方々を診させて頂く機会が増えています。

その中で感じることとして、アスリートとして騎手特有の体の使い方があるということです。もちろん他の競技と同様に、選手それぞれの個別性はありますが、共通して発達している筋が存在している印象を持っています。

数少ない先行研究において、アマチュア騎手とプロフェッショナル騎手の動作分析をし、騎手の頭部・背中と馬の頭部の関係が騎乗技術能力レベルに影響されていると報告しています。馬の動きに対して同調するためには、騎手の姿勢保持(フォーム)が重要であると考えられます。騎乗技術習得において、熟練度の違いによって動作の再現性に差があると報告されています。ただしこの報告は、騎手と馬の動きとの同調性を分析した研究ですが、馬がどの肢を接地した時に騎手がどのような動きをしたかといったような馬の動きに対する騎手の動きを時系列に見たものではありません。

Peham, C., et al. : A new method to quantify harmony of the horse-rider system in dressage. Sports Engineering 4: 95-101. 2001.

馬の駈歩(キャンター)は速度は普通1分間に340m位の速度とされており、前躯と後躯を交互に上下動させて、脊柱のシーソー運動を作りだしている歩法で3ビートのリズムといわれています。さらに速度が増した襲歩(ギャロップ)では、左右の肢が非対称的に動き、一完歩に一回、四肢が宙に浮く瞬間が存在します。襲歩駈歩との運歩上の相違点は、駈歩では最大三肢が着地している瞬間が存在するのに対し、襲歩では同時に着地するのは二肢までというところにあり、襲歩では歩幅が駈歩より広くなり、それにともない速度も速くなります。1分間に1000m以上といわれています。(JRAホームページより)

つまり、襲歩では空中を飛んでいる瞬間があるということです。騎手の先行動作が空中の馬の重心移動に影響を与えるとの報告もあり、この点から騎乗フォームが重要である可能性が伺えます。

Terada, K. and Nagata, A. :The fence condition during show jumping in horse.Waseda University the annual report of physical education (Waseda Univ. The annualreport of Physi. Edu.) 29: 29-35.1997.

Giovagnoli らは、駈歩発進時に、騎手の上腕二頭筋と橈側手根屈筋は馬の板状筋と同期した筋活動を見せ、徐々に騎手の上腕二頭筋の活動は馬の板状筋に少し遅れて活動するようになる。また駈歩運動を終了する時には、騎手の上腕二頭筋は馬の咬筋の活動を引き起こさせており、騎手の筋活動は馬のスピードコントロールに使われたと考えられると報告しています。

このことは明らかに騎手の動作と馬の動きが同調し、騎手の動きが馬の動きに先行していることを示唆する内容であると考えられます。

Giovagnili, G., et al. : Horse and rider interactions during canter, stops and starts. The Elite Dressage and Three-Day-Event Horse. Linder, A. (Ed.): 129-132.2002.

高橋らは、競走馬のバイオメカニクスに関する講演の中で、以下のように述べています。
ゴール手前100m付近におけるディープインパクト号の走行速度は17.8m/秒は、解析することのできた馬(平均16.1m/秒)のなかで最速であり、歩数2.36回/秒は、3番目に多く(平均2.28回/秒)、歩幅7.54mは、最も長かった(平均7.08m)。四肢の内、いずれかの二肢が同時に着地しているオーバーラップ時間は、ディープインパクト号では平均値よりも短く、一完歩の時間に対するオーバーラップ時間の比率は8.5%(平均値17.1%)であった。オーバーラップ時間が短いことは、アメリカ合衆国の最高の馬の1頭であるセクレタリアト号の走り方と共通した特徴であった。また、手前後肢反手前前肢間の距離が長いことも、セクレタリアト号と共通した特徴であった。ディープインパクト号が出走した2006年天皇賞(春)および宝塚記念においても同様の測定を実施し、走り方と走行速度との関係について検討したところ走行速度は歩幅および歩数と正の相関が認められ、特に歩数では非支持時間の短縮、歩幅では手前後肢−反手前前肢間の距離が、走行速度と相関することが分かった。

高橋敏之(日本中央競馬会 競走馬総合研究所 運動科学研究室):競走馬のバイオメカニクス− ディープインパクトの強さの理由 第64回日本体力医学会中国・四国地方会特別講演. 抄録集175.2009.

つまり、いかに馬の歩幅を拡大させ、オーバーラップ時間を短くできるような騎乗をするかが、騎手にとって重要となり、それを扶助する騎乗フォームを獲得することが騎手にとって成績を向上させる(勝利数を上げる)鍵となります。

現在、若手の騎手の方と騎乗フォームについて研究しています。いつか学術的に報告できる日がくればと思っています。

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2017/09/18

ベトナムからHung先生がお越しくださいました @京都下鴨病院 15, Sept., 2017

左から小竹PT、Hung先生、私
当院の小竹PTがJICAでベトナムに赴任していたことをきっかけに、私もベトナムで昨年と今年の2回講演する機会をいただきました。

その際に大変お世話になったCho Ray 病院のリハビリテーション医のHung先生が京都下鴨病院にリハビリテーションの見学へお越しくださいました。

Hung先生は9月から九州大学に短期留学されておられるとのことで、お休みを使ってわざわざ京都まで足を運んでくださいました。

この日は午後から烏丸御池整形外科クリニックでの勤務があったため、短い時間でしたがHung先生と京都で再会でき、私の臨床もご覧いただきました。

小竹PTはこれからも日本とベトナム、日本と世界との架け橋になるような活動をしていくとのことですから、私もお手伝いできることはさせて頂きたいと思っています。

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2017/09/08

復帰&プロ通算100安打達成!


担当させて頂いている選手が競技復帰されました。
理学療法士としてこの上なく嬉しい瞬間です。

しかも節目となるプロ入り通算100本安打も達成されました!
先日100本安打達成記念タオルを頂きました。

これからも「すべては患者さんの笑顔のために」日々臨床に向き合いたいと思います。

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別の選手が嬉しいブログ①ブログ②を書いていてくださっていました。


EPoch主催セミナーで講演しました @ 尼崎中小企業センター 2-3 Sept., 2017


EPoch主催のセミナーで「肩関節拘縮に対する病態解釈と運動療法」と題したハンズオンセミナーで講師をさせていただきました。

実技講師として京都下鴨病院の團野翼先生と中井亮佑先生にもお手伝いをしていただきました。

遠くは北海道や茨城県からも参加者がお見えで、大変熱いセミナーとなりました。とはいえ、内容は至ってシンプルなもので、肩関節拘縮の病態と生理、肩関節の機能解剖、画像所見の見方、触診、徒手的運動療法の実技と普段私が日常診療で行なっていることをお話しさせていただきました。

先日、セミナー終了後のアンケート結果が送られてきました。

セミナーの感想「とても良い72%」「良い28%」
次回も受講したいか「是非68%」「受けたい29%」「日程による3%」

これが現在の私のセミナー講師としての実力です。この結果を評価が高いと捉えるか、そうでもないと捉えるか、判断は様々だと思います。アンケート結果に対する私自身の感想は、「自分はまだまだやな。」ということです。90%以上の人が「とても良い」や「是非再度受講したい」となってはじめて一流だと思います。

反省点や改善すべき点を再考していきたいと考えています。

私がセミナーの講師をお引き受けする最大の理由は、後進の育成です。それに対して様々な方法や考え方があると思います。私は臨床で結果を出し、学会や論文という形で発表していくことが本質的で最良の方法だと考えています。しかし、技術職である以上、技術の伝承も同時に行っていく必要があります。医師のように「臨床・教育・研究」が一体となっておらず、免許取得後の研修制度がない我々理学療法士にとって、今回のようなハンズオンセミナーは必要だと思っています。

受講者の先には患者さんがいると思って講師の依頼を頂いた時には、なるべく受けるようにしています。これからも、整形外科リハビリテーション学会での活動や今回のようなセミナー講師としての活動にも注力していきたいと思います。

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2017/08/24

慶友整形外科病院で手術見学をしてきました @ 群馬県館林市 9 Aug.,2017


慶友整形外科病院で古島弘三先生の手術を見学してきました。
古島先生の胸郭出口症候群(Thoracic outlet syndrome; TOS) に対する第一肋骨切除術を一度見てみてみたいと思っていましたが、今回当院の森大祐先生からお誘いをいただき、ついに実現しました。

TOSの診断は、問診、上肢感覚障害、上肢内側のTinel様徴候、Wright test、Roos test、3D CT血管造影、超音波検査による前・中斜角筋間の狭窄評価等で行うと教えて頂きました。

また術前に診察場面も見させていただき、Roos testの有用性を身をもって感じることができました。

術中にQuadri-lateral Space(QLS)での腋窩神経リリースも併せて行われていて、その際広背筋腱が90°屈曲位内旋でQLSを絞扼している様子も見学させていただきました。

学び多き手術見学となりました。見学後には古島先生はじめ慶友整形外科病院の先生方と懇親会も開いていただき、遅くまで臨床談義に花が咲きました。

私自身もTOSではないかと疑う症例を多く経験します。理学所見をしっかり取り、今回の手術見学で学んだことを理学療法にフィードバックしていきたいと思います。

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整形外科リハビリテーション学会 滋賀支部・京都支部共催 第3回 ベーシックセミナー「肩関節拘縮における機能解剖学的評価と触診」に参加しました @ 京都福祉会館 23 July, 2017



整形外科リハビリテーション学会 滋賀支部・京都支部共催の第3回ベーシックセミナーに実技講師として参加しました。

近畿はもとより関東、北陸、東海、四国、中国地方から120名を超える先生方が参加下さいました。



このセミナーでは毎回、評価と触診について整形外科リハビリテーション学会に所属している若手の先生方が講師として講義をされます。とはいっても、学会の厳しい触診試験をパスした先生方のみが講師を務めます。

京都下鴨病院からは、為沢一弘先生と團野翼先生が講師として講義をされました。両先生とも私の教え子であり、臨床で結果を出している当院の両エースです。臨床研究もしっかりと行い、為沢先生は今年の日本股関節学会、團野先生は今年の日本肩関節学会で発表されます。

また、運営スタッフとして京都下鴨病院の理学療法士が全員がボランティアで活動してくれました。

京都下鴨病院の理学療法士の中から次代の整形外科領域リハビリテーションを担う人が出てきてくれることを期待しています。

もちろん私もまだまだ邁進していきたいと思っています。

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2017/06/11

第18回整形外科リハビリテーション学会宿泊技術研修会に参加しました @ 三重県, 希望荘 10-11 June, 2017


I participated in the 18th lodging seminar about palpation and therapeutic technique of orthopaedic therapy that is held by the Society for Rehabilitation of Orthopaedics at Kiboso on June 10-11.

三重県の希望荘で年に1回開催されている整形外科リハビリテーション学会宿泊技術研修会に実技講師として参加しました。1日目は触診の実技、2日目は仙腸関節障害、肩関節後下方部拘縮、足関節前方組織拘縮、それぞれに対する治療実技について講義がありました。病態解釈、評価方法、治療実技と盛りだくさんの内容でした。今回も多くのことを学ぶことが出来ました。明日からの臨床で患者さんに還元していきたいと思います。

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しばはら整形外科スポーツ関節クリニックへ行ってきました @ 明石市魚住 28 May, 2017




Dr. Motoi Shibahara, a senior colleague of mine, is starting his Orthopaedics Sports Joint Clinic at Akashi City, Hyogo Pref. in front of JR Uozumi station.
His Clinic opens for diagnosis and treatnent on 1st June 2017.
I was invited to a private preview of his Clinic. The preview is holding on today.

His Clinic was so comfortable, clean, hospitality and good exterior&interior, I really felt at home.

I hope his success. Then I will cooperate with that as much as possible.

しばはら整形外科スポーツ関節クリニックの内覧会へ行ってきました。
場所はJR魚住駅前NSビル2階です。6月1日より診療開始されています。明るく綺麗でアットホームなクリニックです。リハビリ室も十分な広さがあり、整形外科疾患に対するリハビリテーションはもちろんスポーツ障害やコンディショニングも行えます。

私も時々お手伝いに行かさせて頂く予定です。

第116回 整形外科リハビリテーション学会京都支部定例会に参加しました @ 京都下鴨病院 27 May, 2017


I participated in the 116th regular meeting of The Society for Rehabilitation of Orthopaedics Kyoto brunch.
Ryosuke Nakai had given a lecture about Conservative therapy for Rotator Cuff tear.
This meeting was the first time of the lecture for therapeutic technique to him. He did well considering that he had no experience. His lecture was well organized.

第116回整形外科リハビリテーション学会京都支部定例会「肩腱板断裂に対する保存療法」に参加しました。今回は後輩の中井亮佑先生が講義されました。よくまとめられた内容で分かりやすい講義でした。

次回は6月24日土曜日に開催されます。参加するには事前申し込みが必要です。
2017年6月開催−第117回定例会− 「腱板断裂修復術後再断裂を防ぐ工夫と考え方」
講師:團野翼 先生(京都下鴨病院 理学療法士)
日時:平成29年6月24日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:24名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
↓ 参加申込はこちらから ↓
http://seikeigeka.blogspot.jp

2017/05/28

HAS-ASSA-APOA合同学会のリハビリテーションワークショップで講演しました @ Vietnum, 25th May 2017


I have given a talk about Rehabilitation after ACL reconstruction: the early - active program and the manual therapy based on functional anatomy as a invited speaker at the 2017 Combined meeting 4th Ho Chi Minh City Arthroscopy Society (HAS) ,5th ASEAN Society for Sports Medicine and Arthroscopy (ASSA) and Sports Section of the Asia Pacific Orthopedic Association(APOA) workshop of rehabilitation on May 25th in Bệnh viện Bà Rịa, Viet Num. 
I am successfully done. I got several questions which I assumed previously and answered promptly. 

I owe my success to Rika Odake(my pupil and powerful colleague of mine), all my colleagues and Dr. Hung(my Vietnamese friend). I really appreciate Dr. Hung and Rika. 

I had many good experiences in Viet Num.

ベトナムで5月25日から27日の3日間開催された、第4回ホーチミン市関節鏡学会−第5回東南アジアスポーツ医学関節鏡学会−アジア・パシフィック整形外科学会の合同学会のリハビリテーションワークショップで同僚の小竹里佳先生と共に「前十字靭帯再建術後の機能解剖学的リハビリテーション」とういう演目で講演をしてきました。

昨年JICAからベトナムへ赴任していた小竹先生の依頼でベトナムで講演した時に知り合ったHung医師が今回の合同学会の準備委員をされていて、今回ゲストスピーカーとして招待していただきました。

海外での学会発表は経験していますが、海外での講演は今回が初めてでした。1時間の講演後に患者さんを会場にお招きして実際の治療を聴講されていた医師や理学療法士たちの前で行うという形式のワークショップでした。

私の拙い英語をHung先生と小竹先生がベトナム語に翻訳してくださり、なんとか無事に講演を終えることができました。今回の講演の成功は二人のお力添え無しでは成し得ませんでした。

今回は国際学会での講演という本当に貴重な経験をさせていただくことができました。このような機会を与えてくださった大会長のDung先生、準備委員のHung先生、そして小竹先生にとても感謝しています。

今後も臨床での治療成績を広く国内外に報告していきたいと思います。

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2017/05/16

第52回日本理学療法学術大会に参加してきました @幕張メッセ 14, May, 2017


5月12日〜14日まで開催された第52回日本理学療法学術大会に参加してきました。
とはいっても発表した訳ではなく、座長として14日の1日参加しただけですが...

やはり学会に参加するときは発表しないといけませんね。(というわけではないんですが、第44回日本肩関節学会に演題登録しました。)

でも、今後は分科会化されてしまうので、各分野が全体で全国規模の学会をするのは今回の学術大会が最後だったそうですから、参加できてよかったです。

私が初めて全国学会に参加したのは、2004年に仙台で行われた第39回の学会でした。この時もただ参加しただけでした。理学療法士になって5年目の時です。学会発表はどうするのか、学会ってどんな感じなのか、指導してもらえる先輩がいない職場で勤務していた当時の私にとっては学会に参加するだけでかなりのハードルがあったのを記憶しています。

あれから13年経って、今では学会発表や論文投稿は当たり前となりました。理学療法士としての考え方や自身を取り巻く環境、知識、技術も大きく変化しました。いい意味で成長できていることが実感できた学会参加でした。継続は力なりです。

若い理学療法士たちが会場内を行き交う姿に自身の昔を重ね合わせながら、感慨深い学会参加となりました。

日本運動器理学療法学会ホームページ
日本スポーツ理学療法学会ホームページ

今後は主に上記の学会に参加したいと思います。

1サンプルt検定

自分たちの研究データの計測した値が標準値と比べて有意な差があるかどうかを検定する方法として、標本集団の平均値と母集団の平均値とを比較する「1サンプルt検定」という検定方法があります。

SPSS で検定可能です。
SPSSの画面
この検定は研究報告での利用価値が高いと思います。

事の発端は、後輩の学会発表を指導していた時に、無計画な研究でコントロール群が用意されておらず、演題登録の締め切りが近づいていて、今からコントロール群を準備することも難しいというタイミングで、今あるデータでどうにかしないといけない時に「標準値と比べてみればなんとかなるかも」 ということになり調べてみました。

計測したデータを見た印象だけで 「傾向がある」とか「改善している or 低下している」 と論述するよりも統計学的有意差の有無で論述ほうが当然論理的な訳です。最近では理学療法士の研究の質が上がってきていて、統計なしではなかなか演題査読が通りません。(小規模な地方会は別ですが)

「1サンプルt検定」は 「母集団と標本集団の比較」 という前提の検定です。式は以下の通りです。
M : 母集団の平均値
μ : 標本集団の平均値
SM : 標本集団の標準偏差
n : N数(対象者数)

検定可能なものは、一般的に認知されている不特定多数から得たデータ(母集団)、例えば 「ヒトの基準値」 とか 「日本人の平均値」、「システマチックレビューで報告されている平均値」 といったものとの比較が可能です。

以下のような場合は検定できないので注意が必要です。

例えば、A病院患者さんのある可動域の平均値(標本集団)だけが入手できたとします。
そこで、このA病院の平均値と自分の病院の患者さんの可動域(標本集団)を「1サンプルのt検定」で比較するということはできません。


この場合は標本集団同士の比較となり、一般的な「対応のないt検定」 をしなければいけません。

SPSSで解析するに越したことはありませんが、高額ソフトですから誰でも持っている訳ではありません。Excelで簡単に計算できるので、そのやり方を記載します。

まずは以下の表を作成します。




D列4行目とE列4行目は自験データの算出済みの数値を入力します。
C列4行目には自験データのN数(症例数)を入力します。

比較したい母集団のデータは平均値のみがわかっていれば大丈夫です。D列3行目に入力します。

この例では「日本人の平均30、自験データの平均33.4、症例数22名、標準偏差6.4」 ということになっています。次にt値を算出します。D列6行目のセルに「=(D3-D4)/(E4/SQRT(C4))」という式を入力します。

これでt値が算出できたので、このt値からP値を求めます。
D列7行目に「=TDIST(ABS(D6),C4-1,2)」という式を入力します。




1サンプルのt検定ができました。

Excel統計で正確に行えるのかが心配という方のためにSPSSでも行います。
上記の例と同じデータを使用しています。
データとして入力して「1サンプルのT検定」 を選択します.

以下の画面となります。検定したいデータが入った列を 「検定変数(T)」 に入れます。
次に「検定値」 の部分に日本人の平均である30と入力して「OK」をクリックします。

Excelで検定した場合と同じ結果となります。





第44回日本肩関節学会に演題登録した研究で使用しました。(ブログ内提示したデータは架空のもので、演題登録した研究とは無関係です。)


2017/05/08

第3回ベーシックセミナーのご案内


整形外科リハビリテーション学会滋賀支部・京都支部共催 第3回ベーシックセミナー
テーマ:「肩関節拘縮における機能解剖学的評価と触診」

日 時:平成29年7月23日(日)
    10時〜17時(9時30分受付開始)
会 場:京都社会福祉会館 4階 ホール
定 員:100名
参加費:3000円(会員・非会員とも:当日会場受付でお支払いください)
※各支部のLINE@ポイントカードのスタンプが10ポイント貯まっていれば参加費無料
(申し込みフォームにて事前申請が必要です)

※専門理学療法士制度ポイント認定講習会・研修会に申請中

参加申込:専用申込みフォームより(要事前申込)
     https://pro.form-mailer.jp/fms/1835a067119878

申込開始:平成29年5月8日午前0時より申込受付中

内 容:肩関節前方組織の機能解剖学的評価と触診  
     講師:三倉 一輝先生(城北整形外科クリニック 理学療法士)
    肩関節上方組織の機能解剖学的評価と触診  
     講師:中井 亮佑先生(京都下鴨病院 理学療法士)
    肩関節後方組織の機能解剖学的評価と触診  
     講師:為沢 一弘先生(京都下鴨病院 理学療法士)
    肩関節下方組織の機能解剖学的評価と触診  
     講師:團野  翼先生(京都下鴨病院 理学療法士)
    肩甲帯周囲組織の機能解剖学的評価と触診
     講師:藤原 信吾先生(宇治武田病院 理学療法士)
※講義の順番は前後する場合があります。

今年で3回目を迎える整形外科リハビリテーション学会滋賀支部・京都支部合同開催のベーシックセミナーの申込受付が始まりました。今年のテーマは肩関節拘縮です。臨床で遭遇する最も多い関節疾患の一つですが、多くの軟部組織で構成されている関節であるがゆえ「どこの組織を治療のターゲットとするか」について評価や病態解釈が難しいと感じることがあると思います。

講師を務める先生方は、整形外科リハビリテーション学会滋賀支部・京都支部に所属する触診検定試験に合格された先生方ばかりです。肩関節の評価と病態解釈、評価として必要不可欠な触診技術について勉強できます。是非奮ってご参加ください。

2017/05/07

医学論文を書く方のための究極サイト 〜The Definitive Site for Writers of Medical Manuscripts〜

http://ronbun.jp
私自身もそうでしたが、学会発表や論文を書くことは理学療法士にとってハードルが高いものです。近年大学院も増加してきて、教育を受ける機会を設けることもできますから「そうでもないよ」という方もいらっしゃるとは思います。大学院で教育を受けるのには其れ相応の覚悟と職場や家族の理解、経済的な問題もあり、向学心はあっても二の足を踏む方も少なくないでしょう。

かといって独学でチャレンジするにしても、何をどう始めていいか分からない方もいらっしゃると思います。一番手っ取り早い方法は勤務先の先輩や医師で学会発表や論文投稿をされている方に指導してもらうことです。

それでも「そういう人が周りにいないんだよなぁ」という方は書店で学会発表の仕方や論文の書き方、統計学の本を読んでコツコツと努力を継続されていると思います。

私の場合は整形外科リハビリテーション学会という環境があります。そこで尊敬する先輩方や医師に考え方や取るべき行動を指導してもらえています。職場には学術活動をしている医師や仲間もいて、助言をもらえることもありますし、畿央大学大学院で研究指導も受けました。理学療法士としては恵まれていると思っています。

向学心がある方は、自身でそういう環境に身を置く努力が必要です。

それに加えて、臨床研究を行う上で私がしていることは、論文の多読です。多読と言えるレベルではないかもしれませんが、1日1本は論文を読むようにしています。日本語・英語問いません。とにかく読む。

そうすることで、研究の方法や論文の書き方、表現、図表の作り方を学ぶことができます。もちろん興味がある論文を読むわけですから、その分野の知識が増えます。数を読むことでいい論文とそうでもない論文を見分けられるようになってきます。

いつも美味しいものを食していると、美味しいものとそうでないものの見分けができるようになり、安くても美味しいものや高くてもそうでないものの見分けができるようになるのと同じ感覚です。

論文多読については尊敬する加藤明先生に勧められて以来、ほぼ毎日続けています。そろそろ10年になりますので、年間300本×10年=3000本論文を読んでいることになるのでしょうか。継続は力なりです。

そうしてはいても、いざ学会発表や論文投稿となると作成する段階では自分自身で行わなければなりません。前述した「何を、どうするか」についていいサイトがありましたので紹介します。医学論文を書く方のための究極サイトです。具体的にどうするべきかを項目立ててわかりやすく説明されています。サイト内で論文無料ダウンロード可能なサイトの紹介もされています。お時間があるときに覗いてみると勉強になると思います。

2017/05/05

寛骨臼の左右非対称性について


A Novel Approach for Determining Three-Dimensional Acetabular Orientation: Results from Two Hundred Subjects

Journal of Bone & Joint Surgery - American Volume:  5 November 2014 - Volume 96 - Issue 21 - p 1776–1784
doi: 10.2106/JBJS.L.01141
Higgins, Sean W. MS; Spratley, E. Meade PhD; Boe, Richard A. BS; Hayes, Curtis W. MD; Jiranek, William A. MD; Wayne, Jennifer S. PhD [原文]
Higgins SWらは、整形外科疾患を有さない症例で、骨盤部CTスキャンを受けた患者200人の高分解能CT検査結果を用いて、寛骨臼の3次元オリエンテーションの標準値の決定に対する新しい数理計算式の有用性を検討している。
その結果、Interobserverおよびintraobserverともに高い一致が見られ、高精度であることが示された。男女間の前捻(平均3.5°)と傾斜(平均1.4°)で有意な差を認めた。
同一個体における前捻(平均0.5°:最大12.1°)と傾斜(平均0.3°:最大10.9°)に左右差を認めたと報告している。
Fig. 7. Frequency and magnitude of intrapatient bilateral differences for anatomic anteversion (left side minus right), showing relative symmetry.
Fig. 8. Frequency and magnitude of intrapatient bilateral differences for anatomic inclination (left side minus right), showing relative symmetry.
結果のグラフを見ると寛骨臼の前捻、傾斜共に概ね3°程度の左右差がある人が多いということのように思える。この微妙な差が臨床で重要な意味を持つこともある。
All for a smile of patient... by OH!NO!DX

2017/05/04

患者さんからよく質問されること〜グルコサミンとコンドロイチンの効果


Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis

Cite this as: BMJ 2010;341:c4675

BMJ 2010341 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.c4675 (Published 16 September 2010)

Simon Wandel et al [原文]


Fig 2 Differences in pain intensity measured on visual analogue scale (VAS) between experimental interventions and placebo over time. Shading represents area of clinical equivalence. Negative values indicate benefit of experimental interventions compared with placebo


変形性膝関節症・股関節症3803人の患者を対象とした無作為化比較試験のネットワークメタアナリシスで、グルコサミンとコンドロイチンのそれぞれ、両方の併用、プラセボとの鎮痛効果を検証している。

疼痛強度を10cmのVASで評価したところ、プラセボとの差はグルコサミン-0.4cm、コンドロイチン-0.3cm、両剤の併用-0.5cmで臨床的に重要な差(-0.9cm)には至らなかったとしている。


X線画像においても関節裂隙の狭小化を食い止めるとは言い切れないと報告している。

Olalekan A Uthmanらは、下肢の変形性関節症患者への運動介入の効果を、無作為化比較試験60件(介入12種、被験者8218人)のシステマティックレビューと逐次およびネットワークメタ解析で検証している。非運動群に比べ介入の有意な効果を示すエビデンスとして、柔軟性、筋力、有酸素能を強める運動の併用時に介入効果が最も高いと報告している。




Exercise for lower limb osteoarthritis: systematic review incorporating trial sequential analysis and network meta-analysis 

BMJ 2013347 doi:https://doi.org/10.1136/bmj.f5555 (Published 20 September 2013)[原文]

Fig 3 Scatter plot presenting ranking of exercise interventions for pain reduction and physical function based on cumulative probability of being most effective intervention

患者さん:
「メディアやドラッグストアでよく宣伝しているグルコサミンやコンドロイチンって効果はどうなん?」

私:
「プラセボと差がないという論文が2010年に出ています。何を信じるかは患者さん次第ですが、どうしてお医者さんはグルコサミンやコンドロイチンを病院で処方しないんでしょうね。その中に答えはあると思いますよ。」

こう答えています。

All for a smile of patient... by OH!NO!DX

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