2022年1月4日に株式会社運動器機能医科学インスティチュートを設立しました。
設立して1ヶ月、ようやく各種のセットアップが完了し、いよいよ運営開始です。
会社設立に至った経緯については、いろいろありますが、50歳を過ぎて残りの人生を考える年齢になりました。
高校卒業後、一旦就職してから25歳で専門学校へ入学し、28歳で卒業。これまで多くの皆様にお世話になったり、迷惑をかけたりしながら、理学療法士として約23年間歩んで来ました。
この間多くのことを学び、考え、行動してきましたが、この先の人生をどう歩むべきかについて、ここ数年考えてきました。
理学療法士として解らないことや知らないことがまだまだあり、これからも自己研鑽に励まなければなりませんが、理学療法士として「臨床での思考のプロセス」はそれなりに理解できるようになりました。己惚れかもしれませんが。
臨床で歩みを進める中で感じたこと、それは我々理学療法士の卒後教育があまりにも自助努力に委ねられすぎているという現実です。
このままでいいのか?と自問自答したときに、自らが臨床で培ってきた「思考のプロセス」を次世代に繋げていかなければならないと考えるようになりました。
もちろん自身が勤務する施設内でそれを行うのも一つの方法です。
今回私がとっている行動以外の方法もあると思います。
しかし、既存の様々な在り方だけではなかなか変化していないということも事実としてあります。私如きで何が出来るのか?とも考えましたが、残り少なくなった人生を悔いなく過ごしたいという利己的な部分と理学療法士の世界を何とかして変化させたいという利他的な部分のどちらもが私の中で芽生え、今回の会社設立という行動に繋がりました。
この会社で行うことは、医療者としての本質的学習の在り方を追求して、role modelとなり得る人材を一人でも多く、そして一つでも多くの施設に増やしていくということです。
role modelとは「あの人のようになりたい」と思われる人のことを指します。
あくまでも臨床で。
これは臨床家がリーダーシップを取らなければならないと考えています。もちろん賛同してくださる多くの方々の協力を得て行わなければ実現困難なことだと理解しています。その中には養成校の先生方はもちろん医師をはじめとする多くの医療関係者、企業の力もお貸し頂かなかればならないと考えています。
だからこそ「臨床家による臨床家のための企業」を設立しました。
もう一つは予防医学の観点から理学療法士として行えることは何か、そしてリハビリ期限が切れていわゆる「リハビリ難民」と称される患者さん達へ理学療法士として行えることは何か、という現行制度の限界についてです。
これらについて、あくまでも現在の枠組みの中で、我々理学療法士に出来ることを模索していかなければならないと考えています。
これら全てを短期間で解決することは難しいことは重々承知しています。
でもただ甘んじてやり過ごす事はできません。
小さな会社ではありますが、本質的で社会的意義があるイノベーションを起こすきっかけ造りになればと考えています。
私一人では何も出来ませんが、皆様の力を借りて一つ一つ取り組んでいきたいと思います。
これからもご指導・ご鞭撻の程、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社 運動器機能医科学インスティチュート 理学療法士 小野志操