1年10ヶ月ぶりの投稿です。久しぶり過ぎて、もう誰も見ていないかもしれないですね。
そもそもこのブログを始めたきっかけは、「起承転結をつけて文章を書く練習」のためでした。いまだに文章を書くのは苦手ですし、結局あまり上達はしていません。
なので開設当初は本当に日記のような内容で、悪ふざけしたような文章も多かったように思います。
そのうち多くの理学療法士をはじめ、セラピストにBlogの読者が増えてきて、「先生のBlog読んでますよ」と声をかけていただくことが増えました。そしてBlogの内容は理学療法士向けの文章へと変化していきます。
ところが、遂には患者さんからも「Blog読みましたよ」と言われるようになり、いよいよふざけたような内容の投稿はできなくなりました。
いまや私も50代となり、そもそもBlogを書き始めた当初と比較すれば、人間として少しは落ち着いてきましたし、コンプライアンスという名のともすると形骸化した社会規制のようなことにも注意を払う必要があり、そのような文章を書くこともなくなりました。
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSでいつでも気軽に情報や考えを共有できるようになり、Blogとの棲み分けが難しくなってきたというのが、Blog更新から遠ざかっていた理由です。
では、なぜまた急にBlogを書こうと思ったのかというと、私個人のホームページ(Webサイト https://www.shiso-ono.com)のContact(メールフォーム)から患者さんやアスリートからメールをいただくことが最近増えているからです。
その内容は、「他院でリハビリをしているが〇〇の症状が改善しなくて困っている」「なかなか競技復帰できずに困っている」「自費でもいいから診てほしい」といったものがほとんどです。
このようなご連絡に対して、理学療法士としてどのように対応するべきか?
もちろん医師ではありませんので、メールから得られた情報を基に具体的な治療を提案するといったことや、医療相談のようなことは出来ません。
昨今Youtubeなどで理学療法士が「〇〇はこうすれば良くなる」とか「⬜︎⬜︎の治し方」といった動画を配信しているのを目にしますが、法令的にはグレーゾーンというか限りなくアウトに近いと捉えられても仕方ないように感じています。
理学療法士が、公の場で、どのような立ち位置で、誰に、何を、発信していいのか?よく考えなければなりません。
理学療法士が医療従事者に向けて発信する教育的内容と理学療法士が患者さんへ向けて発信できる内容は異なるということです。
2023年も残すところあと2週間ほどとなりました。
今年を振り返ると、春先にDVD「腰痛に対する評価と治療」(ジャパンライム社)を出させて頂き、つい先日分担で書かせていただいた、現職の理学療法士向けの本「運動療法学 各論 第5版」(医学書院)が発刊されました。一方で夏には心筋梗塞を起こし、天国の扉を2度叩くなど、人生と自分の役割について考えさせられる1年でした。
残された人生の時間を理学療法士として、どう過ごしていくべきか?
これまでに培ってきた臨床での思考プロセスや理学療法士として技術の伝承が大切だと考えています。たくさんの医師や理学療法士の先生方のご協力を得て、今年も多くの研修会をオンラインや対面でさせて頂きました。
自身の臨床研究も形にしたいものがたくさんあります。
こういった研究と教育(伝承)を継続していくことはもちろん重要なことですし、これからも継続していこうと思っています。併せて努力して臨床で結果を出している多くの理学療法士にスポットライトが当たるような活動も必要だと考えています。
でも「患者さんをよくすること」が私自身にとって最も大切なことと考えています。
臨床で結果を出してこそ、自分自身に理学療法士としての価値があるとそう思っています。今年、自分自身が治療を受ける側に立ってみて、より一層この気持ちが強くなりました。
一症例一症例、患者さんと真摯に向き合い、その患者さんにとって可能な限り症状改善を目指すこと、このことこそが自分の役割です。
患者さんに向けて、理学療法士が必要な情報を発信する形として、どういう在り方がいいのか?模索し続けていきたいと考えています。