実際の臨床において股関節前部痛が生じている症例の運動療法にあたり、股関節前方特に大腿直筋反回頭(Rectus femoris reflected head)がトリガーとなっている症例を経験する。
Rectus femoris reflected head |
症例によっては数回の理学療法により症状が緩解するが、治療成績を示すために客観的な画像所見として介入前後の比較を行いたい。
昨日、明石運動器リハビリテーション研究会に参加した際、大久保病院の柴原基先生にFalse Profile法という単純X線評価を教えて頂いた。
股関節の単純X線評価方法として、正面像でのCE角(25°以上が正常)やSharp角(男性40°、女性45°未満が正常)や、軸位像などが用いられる。これらの評価は主に前額面での臼蓋被覆や大腿骨頭と臼蓋の適合性を評価している。
False Profile法ではvertical-center-anteriormargin angle(VCAangle)を用いて前後方向での臼蓋被覆や臼蓋に対する前後方向での骨頭の位置関係を評価することが出来る。
工藤正喜ほか:股関節撮影-False Profile撮影法-日本放射線技術学会雑誌61巻5号691-700,2005より引用
この撮影方法とエコーを用いて客観的な画像所見として、今後治療成績を示していきたいと考えている。