2013/12/15

シンポジストとして発表してきました 15, Dec. 2013 名古屋


整形外科リハビリテーション学会のシンポジウムでシンポジストとして発表してきました。

自身の研究データを中心に、膝外側支持組織に由来する膝関節痛の解釈と治療について発表しました。

今年の締めくくりとなる講演でしたが、明日からも臨床は続きます。これからも一症例を丁寧に診て、治療成績を示し、情報を発信していきたいと思います。

All for a smile of patient... by OH!NO!DX

2013/12/10

整形外科リハビリテーション学会シンポジウム2013 15, Dec. 2013 テレピアホール 名古屋


 
整形外科リハビリテーション学会シンポジウム2013 開催のご案内
 
日時:12月15日(日)  9:30~受付開始
 
場所:テレピアホール[アクセス]
 
参加費:整形外科リハ学会会員無料、非会員2,000円
 
 「内容」
10:00~
 「Basic symposium 肩関節可動域制限の要因を評価する~その理論と技術~」
 座長:福吉正樹先生(名古屋スポーツクリニック)
 
○肩上方支持組織の評価について
渡辺奈津希先生(KKR金沢病院)

○肩前下方支持組織の評価について
細居雅敏先生(吉田整形外科病院)

○肩後下方支持組織の評価について
吉川友理先生(上田整形外科クリニック)

○肩甲帯組織の評価について
篠田光俊先生(国際医学技術専門学校)
 
14:00~:
「Advance symposium 運動療法が適応となる膝関節痛の解釈と治療~その理論と技術~」
座長:浅野昭裕先生(碧南市民病院)
     八木茂典先生(東京西徳洲会病院)
 
○膝外側支持組織に由来する膝関節痛の解釈と治療
小野志操先生(京都下鴨病院)

○膝内側支持組織に由来する膝関節痛の解釈と治療
岡西尚人先生(平針かとう整形外科)

○膝後方支持組織に由来する膝関節痛の解釈と治療
神山卓也先生(一社ひがし治療院)

○膝前方支持組織に由来する膝関節痛の解釈と治療
林典雄先生(中部学院大学)

○変形性膝関節症における膝関節痛の解釈と治療
岸田敏嗣先生(フリーランス)

 
詳細は整形外科リハビリテーション学会HP

第4回下鴨整形外科疾患フォーラムが開催されました 30, Nov. 宝ヶ池プリンスホテル


11月30日に宝ヶ池プリンスホテルにて第4回下鴨整形外科疾患フォーラムが開催されました。当院の理学療法士は全員参加しました。

今回は「投球障害の診断と治療」をテーマに、「投球のメカニズムとコンディショニング:新しいコンセプト」と題して、みどりクリニック院長 瀬戸口芳正先生が投球障害肩の診断と治療について、「野球肘の診断と治療」と題して、横浜南共済病院 スポーツ整形外科部長 山崎哲也先生が投球障害肘の診断と治療についてご講演下さいました。

投球障害は当院でも多くの患者さんが通院されリハビリテーションを行っています。投球障害のメカニズムや手術方法、機能解剖、トレーニング方法について多くを学ぶことが出来ました。


 

明石運動器リハビリテーション研究会で講演しました Sat, 7, Dec, 兵庫


12月7日の土曜日に明石運動器リハビリテーション研究会でトライデントスポーツ医療看護専門学校講師の山本昌樹先生と共に講演をしてきました。

 
 
山本先生が「変形性股関節症の評価と治療」について、私が「大腿寛骨臼インピンジメント(FAI)の評価と治療」について講演しました。
 

 
 FAIについては保存療法でも80%近くの割合で疼痛が軽減もしくは消失します。しかし、保存治療に関するエビデンスは十分とはいえません。今回講演させて頂いた評価、治療法の妥当性と治療成績を今後示していきたいと考えています。


12th Sports Medicine Conference(SMC)で講演しました 30, Nov-1, Dec, 2013 靭テニスセンター会議室, 大阪

 
第12回 Sports Medicine Conference(株式会社REACH主催)において11月30日と12月1日の2日間、仙腸関節障害、特にFar out syndromeに対する評価と治療について講演と触診実技指導、治療実技指導をさせて頂きました。100名近くの参加者で、対象の中心はいつもとは異なりスポーツトレーナーの方々でした。


職種は異なりますが、スポーツ障害の治療に携わるという点では共通していますので、皆さん真剣に受講して下さいました。


今回、SMCに参加させて頂くことで、多くのスポーツトレーナーの方々と知り合うことが出来ました。スポーツ選手は医療を離れてからも体のメンテナンスが必要となります。全国の情熱を持ったスポーツトレーナーと繋がりを持てたことは、今後大きな力になることと思います。

第3回 KKCM 2013(関西肩コラボレーションミーティング)に参加しました 10, Nov, 大阪コロナホテル

 
11月10日に大阪コロナホテルにて第3回KKCM 2013が開催されました。医師、理学療法士、トレーナーなど310名が参加しました。
 
今回は「スポーツ障害肩に対するメディカルサポート」をテーマに元プロ野球選手の工藤公康さん、久恒病院院長でソフトバンクホークスメディカルドクターの原正文先生に、中部学院大学准教授で元中日ドラゴンズトレーナーの鵜飼建志先生をお招きして、指導者・医師・理学療法士それぞれの立場からスポーツ障害肩についてご講演頂きました。私も鵜飼先生のセッションの座長として参加させて頂きました。


工藤公康さんの講演では投球フォームに対する考え方と選手、選手の親御さん、指導者との関わり方や投球動作の詳細について学ぶ事が出来ました。


 原正文先生の講演ではいわゆる“原テスト”を通おして評価所見の取り方や、医療者としての在り方について考える事が出来ました。

 
鵜飼建志先生の講演では一見複雑な投球動作をフェーズに分け解剖に則して病態を解釈すること、触診技術の重要性を改めて学ぶ事が出来ました。
 
今回KKCMに参加することで、多くの整形外科医の先生方やセラピストの先生方と知り合う事もでき、ネットワークの幅を広げる事も出来ました。

今回得た知識やネットワークを最大限活用して患者さん1人1人に合った理学療法が提供出来るように明日からの臨床に臨みたいと思います。


岡西尚人先生が京都下鴨病院に来院されました 9, Nov


平針かとう整形外科(名古屋市)の理学療法士 岡西尚人先生が来院され、臨床指導をして下さいました。岡西先生は整形外科リハビリテーション学会認定上級指導員(AA)を取得されており、活躍されておられる先生です。

各関節の機能障害だけでなく、関節に加わるメカニカルストレスを軽減することを目的とした運動療法のための理学療法評価についてご指導頂きました。

何人かの患者さんの治療も行なって頂き、丁寧な評価の重要性について学ぶことが出来ました。あらゆる視点から評価と治療を行うことで、治療成績の向上に努めていきたいと思います。

第53回近畿理学療法学術大会 3, Nov, 京都国際会議場

 
第53回近畿理学療法学術大会に参加してきました。今回の近畿学会は全演題ポスター発表で行われました。当院からは2演題の発表を行いました。

 
河井祐介先生が「脛骨近位部骨折に対する理学療法~後十字靭帯付着部骨折を伴った一症例~」について発表され、術後の後十字靭帯付着部に負荷をかけず、膝関節可動域を拡大するための軟部組織に対する拘縮予防の方法と運動療法の工夫について解りやすく解説されていました。

 
為沢一弘先生が「手根管症候群を呈した症例における理学療法経過の一考察~残存しているしびれに着目して」について発表されました。手根管症候群における正中神経狭窄には構造的狭窄と機能的狭窄があること、第3指、第4指付近のしびれに関して、第2総掌側指神経に着目し、深指屈筋と虫様筋が機能的に神経を狭窄する可能性があることについて説明されました。
 
2演題ともに臨床における解剖学を基本とした病態考察の重要性について述べておられ、治療成績も良好でとても臨床的意義のある発表でした。
 
今後も研究発表だけでなく、Single Case Studyを通して一症例から得られた臨床的知見について発表していきたいと考えています。

2013/11/14

Asia Pacific Hip Arthroscopy Meeting 2014 11,Jan Kitakyusyu, Fukuoka

 
 
開催日:2014年1月11日土曜日
会  場:産業医科大学ラマチィーニホール 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1番1号

日本はじめ韓国、香港、中国、インド、アジア各国から大勢の先生方が参加を予定しており、コメディカルおよび学生も参加可能です。

参加費:早期事前登録(11/16-12/24)
医師:18000円、コメディカル8000円、学生2000円

参加費:一般登録(12/25-1/11)
医師:20000円、コメディカル10000円、学生3000円

参加登録および詳細は下記のホームページまで

アジアパシフィック股関節鏡研究会2014ホームページ
http://www.congre.co.jp/aham2014/index.html

第92回山口県臨床整形外科医会教育研修会 26,Oct. 山口グランドホテル, 山口県


10月26日土曜日に午前中で臨床を終え、山口県の山口グランドホテルで開催された『第92回山口県臨床整形外科医会教育研修会』に参加してきました。

秋田大学大学院整形外科学講座准教授 宮腰尚久 先生による『骨形成促進剤による骨粗鬆症の治療-PTHの基礎と臨床』と、産業医科大学若松病院整形外科スポーツ関節鏡センター診療教授
内田宗志 先生による 『股関節痛の診察の仕方と股関節鏡下手術up to date』と題された講演を聴講してきました。

宮腰先生の講演では多椎間固定術後のLucent Zoneの評価方法について学ぶことが多く、背筋の筋力強化の重要性について再認識することが出来ました。

内田先生の講演ではFAIに対するLayer別の評価と整形外科的評価方法、画像診断、股関節鏡手術、術後理学療法に至るまで、最新の知見について学ぶことが出来ました。

内田先生とは先日のISHAでご一緒させて頂いて以来、懇意になり、たくさんご指導して頂いています。最近では術後の患者さんをご紹介して頂くことも多くなり、一層の治療成績向上に努めています。

今回の研修会で学んだ事を患者さんの理学療法に活かしていきたいと考えています。

2013/11/11

8th CORS(Combined Meeting of Orthopaedic Reserch Societies:第8回国際整形外科基礎学会) 13-16 Oct. VENICE, ITALY


8th CORS(国際整形外科基礎学会)で結帯動作に関連する肩甲上腕関節の角度について発表してきました。結帯動作は後ろでエプロンの紐を結んだり、後ろポケットにのもを入れるなど、日常生活動作には必要不可欠な動作です。リハビリテーションにおいて改善することが難しい動作のひとつでもあります。今回の研究を通して結帯動作改善に必要な軟部組織を同定、評価することが期待出来るようになりました。


初めての国際学会での発表でしたが、今後も臨床で緻密なリハビリテーションを行い、その治療成績や研究結果を世界に発信していきたいと考えています。
 
All for a smile of patient !


2013/10/28

12th Sports Medicine Conference(SMC) November 30-December 1 ,靭テニスセンターB1会議室, 大阪

第12回Sports Medicine Conference のメインレクチャーで講演させて頂くことになりました。

「仙腸関節の機能解剖学的評価と治療~Far-out syndromeを中心に~」と題して1日目は講義と触診、2日目は治療実技をさせて頂きます。

今回は仙腸関節障害の中でも特に腸腰靭帯に関連する坐骨神経障害の評価と運動療法についてお話させて頂きます。

椎間孔外狭窄の概念はまだまだ浸透しているとはいえません。特に運動療法の有効性に関しては未知数の部分がありますが、私の実際の臨床経験を踏まえて、考え方、評価の仕方、治療について講演させて頂きます。是非一緒に勉強して下さい。

お申し込み、詳細はSMCホームページ
お問合わせはkatsu@reach4d.jp


2013/10/27

東日本大震災復興チャリティー 合同シンポジウム January13 2014, 横浜市教育会館

整形外科リハビリテーション学会&日本肩関節理学療法研究会
合同シンポジウム

開催日:2014年1月13日(祝日・月曜日)

会場:横浜市教育会館 http://www.ecole.jp/access/index.html

事前申込不要 参加費5000円 収益金の一部は日本赤十字社を通じて被災地に寄付します。

9時30分 受付開始
9時55分 開会式



シンポジウムⅠ(座長:岸田敏嗣先生、遊佐隆先生):10時~12時まで
「肩関節拘縮」

村木孝行先生:「拘縮の原因をどう評価するか 生体力学的観点から」
八木茂典先生:「挙上可動域改善のための機能解剖」
立花孝先生  :「拘縮肩の肩甲下滑液包について」
松本正知先生:「肩甲上腕関節の可動域測定と健側を超える結帯動作の改善について」



シンポジウムⅡ(座長:山本昌樹先生、高村隆先生):13時~15時まで
「投球障害肩」

山口光國先生:「力学的観点を踏まえた投球障害肩への対応」
千葉慎一先生:「投球障害へのアプローチ -病院で出来ること-」
鵜飼建志先生:「投球障害肩に対する局所アプローチの重要性」
福吉正樹先生:「肩後方および前胸部の機能からみた投球障害肩のアプローチ」



15時15分~16時45分 Case Study Ⅰ&Ⅱ
16時45分 閉会式

整形外科リハビリテーション学会  http://www.seikeireha.com/
日本肩関節理学療法研究会 http://www.fff.or.jp/shoulder/riha/



2013/10/22

第4回下鴨整形外科疾患フォーラム

 
第4回下鴨整形外科フォーラムが開催されます。
 
今回は投球障害について、みどりクリニックの瀬戸口芳正先生、横浜南共済病院の山﨑哲也先生にご講演頂きます。
 
コメディカルでも参加可能です。
参加費無料。
講演終了後には情報交換会も行われます。
是非ご参加ください!

2013/10/21

ISHA 2013(International Society for Hip Arthroscopy:国際股関節鏡学会) October10-12,Munich-Germany

会場のAlte Kongresshalleにて 
 
10月10日~12日の3日間、ドイツのミュンヘンで開催された国際股関節鏡学会に参加してきました。
 
2003年にスイスのグループが「フェモロアセタブラーインピンジメント;大腿寛骨臼インピンジメント(femoacetabular impingement ; FAI)」という概念を提唱して以来、股関節唇損傷・股関節軟骨損傷・変形性股関節症・股関節形成不全症・関節内遊離体・股関節脱臼骨折(外傷)後の関節唇損傷・股関節内腫瘍など、股関節内に原因をもつ疾患のほとんどに股関節鏡視下手術が行われるようになりました。
 
今回の学会では世界中の股関節鏡視下手術を行う医師が一同に会して、手術の方法や工夫、その治療成績、問題点や今後の課題について多くの演題が発表されており、股関節鏡手術の最先端について学ぶ事が出来ました。


術後のリハビリテーションに関する発表
手術だけでなく、術後のリハビリテーションに関する発表も聴くことができ、現在私自身が運動療法を行う上で感じていることや今後考えていくべきことについて確認することが出来ました。もちろん私たちが日本で行なっていることや、その治療成績が十分世界で通用するということも感じることができ、大きな収穫となりました。

参加されていた先生方と 
 
日本からも多くの股関節鏡を行なっている医師が参加されていて、今回その先生方と知り合うこともでき、股関節鏡手術の考え方や保存療法、術後運動療法についてたくさん学ぶことが出来ました。 
 

内田宗志先生と加谷光典先生と学会後の懇親会にて
 
ポスターセッションでは130演題の中からトップテンポスターに産業医大若松病院の内田宗志先生(最優秀賞を受賞されました)、札幌医大の加谷光典先生、大阪市大の山崎真哉先生の3名の日本人医師が選ばれており、同じ日本人として誇らしく、またその先生方と同じ時間を共有出来たことは私にとって今後の財産になると思います。

ミュンヘン市内
ミュンヘン市内の気温は1℃~10℃と日本の1月くらいの気温で2日目には雹が降る程冷え込んでいましたが、本場のビールやソーセージを楽しむことも出来ました。

今回の学会参加を機に日本での学術活動と併せて、世界にもどんどんチャレンジしていきたいと思います。



2013/10/06

国際学会での発表

CORS 2013 発表用ポスター

今週、いよいよ人生初となる国際学会での発表です。

拙い英語ですから、間違いなく十分な討論は出来ませんが、何事も経験と思っています。

Man errs so long as he strives.

今までと同じように、一つ一つ積み重ねていきたいと思います。

CORSプログラム

2013/09/29

第9回茨城整形外科リハビリテーション研究会全国研修会案内

 
日程      2014年1月11日(土)~12日(日)

場所      財)横浜市教育会館

内容      足関節周囲の骨・筋・靭帯の触診と機能解剖を理解し
         臨床の治療に応用する

講師      林典雄先生(中部学院大学 教授)ほか  

申込方法   2013年9月14日(土)より受付開始

         定員100名になり次第終了。

         ibareha@cb.wakwak.com

         上記のE-Mailより下記項目を記入のうえ
         申込ください。
         (パソコンから申込者1名に対し1メール、携帯不可
         ①氏名 ②ふりがな ③所属名 ④所属連絡先
         (郵便番号、住所、電話番号) ⑤資格名(PT、OT等)
         ⑥経験年数 ⑦性別

その他     詳細はこちら

2013/09/28

40th JSS 第40回日本肩関節学会(2013/9/27-28) 

第40回日本肩関節学会にて
 
昨日、今日の2日間、京都で開催された第40回日本肩関節学会に参加してきました。国内外から1500名近くの医師や理学療法士など肩関節治療に携わる医療従事者が集まり、最新の研究を発表しました。
Effects of Early Rehabilitation to ROM and Cuff Integrity of After Artroscopic Rotator Cuff Tear 
私も当院の鏡視下腱板修復術(ARCR)後のリハビリテーションについてポスター発表をしてきました。昨今、ARCR後のリハビリテーションはSlow rehabilitationが推奨されていますが、当院では比較的Early rehabilitationのプロトコールに近い内容を行なっています。
リハビリテーションがEarlyかSlowかということではなく、如何に上手く術後肩関節の求心位を安定化させ、肩関節周囲筋のSpasmを軽減させるということが本質的に重要であり、そこが上手くいけば、自然と可動域が改善し、良好な治療成績が得られるということを発表してきました。
 
鈴木千愛先生:変形性肩関節症に人工骨頭置換術が施行された症例の理学療法経験

当院から鈴木千愛先生も肩の人工骨頭置換術後の理学療法について発表しました。今後、臨床だけでなく学術活動においても活躍されることに期待しています。



 今回の学会では来年より日本でも認可されることが決まっているReverse Shoulder Artroplasty(RSA)についてDe Lairesse KlinickのJaap Willéms先生がレクチャーされました。手術の方法はもちろん術後のメリットとデメリットについて勉強になることが多々ありました。

また、Jeffrey Stuart Abrams先生がanterosuperior rotator cuff tearの病態と治療について、Sang-Hun Ko先生がmassive tearに対するMason-Allen法について、船橋整形外科の菅谷先生がRepair Integrity向上のポイントについて、世界水準の最新肩関節治療について学ぶことが出来ました。

大阪医科大学の三幡輝久先生の大腿筋膜を用いての鏡視下上方関節包再建術についての発表は非常に興味深く、理学療法を行っていく上で勉強になりました。

今回の学会で学んだことを活かして、臨床に、研究に、これからも邁進していきたいと思います。

All for a smile of patient...



2013/09/27

第22回整形外科リハビリテーション学会学術集会(2013/9/22-23)


2013年9月22日・23日の2日間、第22回整形外科リハビリテーション学会学術集会に当院の理学療法士4名が参加してきました。本学会は日本の整形外科領域におけるリハビリテーションの学会としては最大の学会です。全演題口述発表という、authorとaudienceが活発に討論する活気溢れる学会です。私自身は第12回学術集会から毎年参加していますので、今年で10年連続で参加しています。



当院の福島友里先生がFAI Cam typeの症例報告をされました。

FAI(Femoroacetabular impingement 大腿寛骨臼インピンジメント)は、レディ・ガガさんや松本人志さんがこの病気で手術をされたことでも有名です。

FAIは、2003年にGanzら(Ganz R, Parvizi J, Beck M, Leunig M, Nötzli H, Siebenrock KA.:Femoroacetabular impingement: a cause for osteoarthritis of the hip.:Clin Orthop Relat Res. 2003 Dec;(417):112-20.)によってその概念が提唱され、股関節痛や股関節唇損傷や早期の変形性股関節症の前駆病態として認識されるようになってきました。

Wegnerら(Wenger DE, Kendell KR, Miner MR, Trousdale RT. :Acetabular labral tears rarely occur in the absence of bony abnormalities.:Clin Orthop Relat Res 2004; 426: 145-50.)は、股関節唇損傷の約87%は骨の形態学的異常が原因であると報告しています。

Eramaら(Emara K, Samir W, Motasem EL H, Ghafar KA.Conservative treatment for mild femoroacetabular impingement. published in J Orthop Surg (Hong Kong). 2011 Apr;19(1):41-5.)は、FAIの約73%は保存療法の適応であったと報告しています。

保存療法の適応が多いということは、FAIとは骨の形態学的異常に起因する軟部組織障害(関節唇と周辺の関節構成体と筋も含む)ということであると考えられます。

今回の福島先生の治療成績は大変良好で、併せてあった仙腸関節由来の疼痛発生機序との鑑別も明確なものでした。

今後も一症例の症状に耳を傾け、真摯に理学療法を行なっていきたいと考えています。

学会のオープニングレクチャーの中で、伊賀上野市立総合病院の猪田先生が引用されていた、私も尊敬している理学療法士 岸田敏嗣先生の言葉 「答えは患者さんの中にある」 の意味深さに感銘を受けた学会となりました。


2013/09/01

股関節前方被覆を確認する「False Profile」法 

股関節前部痛を生じる病態として臼蓋形成不全やFemoroacetabular impingement(FAI)、Groin pain syndromeなどが挙げられる。これらの病態には骨盤と大腿骨のアライメント異常が大きく関与しているとの報告が多い。

実際の臨床において股関節前部痛が生じている症例の運動療法にあたり、股関節前方特に大腿直筋反回頭(Rectus femoris reflected head)がトリガーとなっている症例を経験する。

Rectus femoris reflected head
 大腿直筋反回頭は股関節唇と連続する腸骨大腿靭帯に起始しており、この部分での拘縮が股関節前部痛の一要因となっている可能性があると考えている。

Asheesh Bedi et al.: Capsular Management During Hip Arthroscopy: From Femoroacetabular Impingement to Instability:Arthroscopy: The Journal of Arthroscopic and Related Surgery
Volume 27, Issue 12 , Pages 1720-1731, December 2011より引用
理学所見として大切にしていることは、Thomas test、Quadrant test、Patric test(FABER test)、Ober test(内旋強制変法)、股関節伸展可動域、反回頭の圧痛などである。

症例によっては数回の理学療法により症状が緩解するが、治療成績を示すために客観的な画像所見として介入前後の比較を行いたい。

昨日、明石運動器リハビリテーション研究会に参加した際、大久保病院の柴原基先生にFalse Profile法という単純X線評価を教えて頂いた。

股関節の単純X線評価方法として、正面像でのCE角(25°以上が正常)やSharp角(男性40°、女性45°未満が正常)や、軸位像などが用いられる。これらの評価は主に前額面での臼蓋被覆や大腿骨頭と臼蓋の適合性を評価している。

False Profile法ではvertical-center-anteriormargin angle(VCAangle)を用いて前後方向での臼蓋被覆や臼蓋に対する前後方向での骨頭の位置関係を評価することが出来る。

 工藤正喜ほか:股関節撮影-False Profile撮影法-日本放射線技術学会雑誌61巻5号691-700,2005より引用

この撮影方法とエコーを用いて客観的な画像所見として、今後治療成績を示していきたいと考えている。

3rd KKCM 2013 @ 大阪コロナホテル 2013.11.10 Sun


第3回KKCM (Kansai Kata Collaboration Meeting) 
テーマ「スポーツ障害肩に対するメディカルサポート」

KKCM(関西肩コラボレーションミーティング)とは、医師、理学療法士・作業療法士、トレーナー、看護師、柔道整復師、鍼灸師、スポーツ指導者など、お互いの職種の枠を越えて、自由に「肩」について討論し、治療のレベルアップを図ることを目的に設立されました。
構成メンバーは関西だけでなく、中部、関東にも広がり、肩関節疾患に悩む患者さん、...競技者をトータルにサポートできる体制作りを目指しています。

日時: 平成25年11月10日(日曜日)
9:20~ 受付開始
9:50~ 開会
10:00~  講演1・2
12:00~13:00 昼休み
13:00~ 講演3
14:10 閉会予定

場所: 大阪コロナホテル 別館2階 大会議室
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路1-3-21

大阪コロナホテルホームページ

  定員: 240名

参加費: 医師; 7000円
PT・OT・トレーナー・柔整師・鍼灸師; 4000円
スポーツ指導者・看護師; 2000円
学生; 1000円

講師:
講演1:ドクター部門
原正文 先生(久恒病院院長、ソフトバンクホークス肩担当ドクター)

講演2:セラピスト・トレーナー部門
鵜飼建志 先生(中部学院大学准教授、元中日ドラゴンズメディカルコーチ)

講演3:指導者部門
工藤公康 先生(元プロ野球選手、野球解説者、野球評論家)

参加申し込み:メールにてお申込みください
申し込み先;京都九条病院リハビリテーション部 松田淳子・竹岡 亨
            
アドレス:2013kkcm@gmail.com

*懇親会については現在調整中ですので、後日第3報以降でお伝えします。
*途中、昼休憩時間を設けますので、昼食は各自でご準備頂くか、JR新大阪駅などの飲食店をご利用下さい。
*専門理学療法士制度のポイントを申請中です。
 

2013/07/21

第3回下鴨整形外科疾患フォーラム(2013/7/20)~ 椎間孔外狭窄症について


第3回下鴨整形外科疾患フォーラムに参加しました。

和歌山県立医科大学の南出晃人先生が「腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎内視鏡手術-特に椎間孔部狭窄の診断と進歩-」と題してご講演下さいました。

椎間孔狭窄はputtiやMitchellによって仙椎化における腰椎L5 神経障害を起こす病態として報告されています。

Putti V. New conceptions in the pathogenesis of sciatic pain. Lancet 1927; 2: 53-60.
Mitchell CL. Lumbosacral facetectomy for relief of sciatic pain. J Bone Joint Surg 1934; 16: 706-8.

その後、1954年Verbiest により腰部脊柱管狭窄症の概念が導入され、椎間孔狭窄の概念は1976年Arnoldiらが腰部脊柱管狭窄症国際分類の中で外側型狭窄の範疇の一つとして記載しています。

Arnoldi CC, et al. Lumbar spinal stenosis and root entrapment syndromes. Definition and classification. Clin Orthop 1976; 115: 4-5.

頻度は腰椎変性疾患の中で8 -11%と報告されていて、まれな病態ではありません。

Kunogi J, Hasue M. Diagnosis and operative treatment of intraforaminal and extraforaminal
nerve root decompression. Spine 1991; 16: 1312-20.
Porter R, Hibbert C, Evans C. The natural history of root entrapment syndrome. Spine 1984; 9:
418-21.

Macnabらが「Hidden zone」 と紹介しているように、この部の病態は見落とされやすく、Failed back surgery syndrome の約60%を占めるとも言われています。

MacNab I. Negative disc exploration: An analysis of the causes of nerve root involvement in sixtyeight patients. J Bone Joint Surg 1971; 53: 891-903.
Burton R, Kirkaldy-Willis W, Yong-Hing K,Heithoff K. Causes of failure of surgery on the
lumbar spine. Clin Orthop 1981; 157: 191-7.

 椎間孔外側狭窄症の診断には3D-MRIやDTI(拡散テルソン画像)が有用とのことです。

Kitamura, Mitsuhiro , Eguchi, Yawara , et al.  A Case of Symptomatic Extra-Foraminal Lumbosacral Stenosis (“Far-out Syndrome”) Diagnosed by Diffusion Tensor Imaging
Spine: 15 June 2012 -
Volume 37 - Issue 14

特徴的な所見(診断基準)としては、

①神経根・脊髄神経の横走化(上記論文のFig.2)
②後根神経節の不明瞭化
③椎間孔内ヘルニア
④神経根・脊髄神経の浮腫(上記論文のFig.2)

の4点が挙げられます。

椎間孔外狭窄は脊柱管より遠位にある場合が多く、15~20%は椎間孔外側のみに狭窄があります。

治療としては関節鏡視下に仙腸靭帯(腸腰靭帯)を切除して、第5腰神経を除圧することで症状が改善します。

今回のフォーラムで学んだことを臨床の理学療法に活かしていきたいと思います。

2013/07/16

成長期の骨盤裂離骨折

下前腸骨棘の骨端裂離骨折
下前腸骨棘の裂離骨折(Avulsion fractures of the anterior inferior iliac spine)は急激な筋収縮により発生するとされています。

骨盤裂離骨折の好発年齢は10代から20代前半です。

今回、私が診させて頂いた患者さんも10代のサッカーをしている少年でした。

日常生活やインサイドキックでは痛みがありませんが、トーキックでボールにインパクトした瞬間に股関節前面に痛みが出るとのことでした。

下前腸骨棘に圧痛があり、Ely's test の肢位で膝伸展方向に等尺性収縮を行なってもらうことで痛みが再現出来ました。

文献的には、ほとんどが安静と保存療法で症状が軽快すると報告されています。

Metzmaker JN, Pappas AM. Avulsion fractures of the pelvis. Am J Sports Med. 1985; 13(5):349-358.

Rossi F, Dragoni S. Acute avulsion fractures of the pelvis in adolescent competitive athletes: prevalence, location and sports distribution of 203 cases collected. Skeletal Radiol. 2001; 30(3):127-131.

運動療法としては下前腸骨棘に付着している大腿直筋の起始部に負担がかからないように徒手的にブロックをしたうえで、ストレッチングやリラクゼーションを行います。

小児の骨盤裂離骨折に決定的な分類はありません。

TorodeとZiegの分類:Torode I, Zieg D. Pelvic fractures in children. J Pediatr Orthop. 1985; 5(1):76-84.

Type I: 裂離骨折
Type II: 腸骨翼骨折
Type III:単純な骨盤弓骨折
Type IV: 骨盤弓の破裂骨折

Bart I. McKinneyとCory NelsonはMartin と Pipkin の坐骨結節の裂離骨折の分類(Martin TA, Pipkin G. Treatment of avulsion of the ischial tuberosity. Clin Orthop Relat Res. 1957; (10):108-18.)を参考に骨端裂離骨折の分類を提唱しています。

Type I: 転位のない骨折
Type II: 2cmまでの転位があるもの
Type III: 2cm以上の転位があるもの
Type IV: 症候性の骨折もしくは有痛性の骨軟骨腫

Bart I. McKinney, Cory Nelson, Wesley Carrion Apophyseal Avulsion Fractures of the Hip and Pelvis. Orthopedics January 2009;32 ·Issue 1 (http://www.healio.com/orthopedics/hip/journals/ortho/%7B49c02035-72df-43aa-868b-be25e911ba6c%7D/apophyseal-avulsion-fractures-of-the-hip-and-pelvis

成長期に見られる骨端線離開や裂離骨折は他にも多くありますが、また別の機会に書きたいと思います。

2013/07/08

整形外科リハビリテーション学会主催 第14回宿泊技術研修会 @三重県湯の山(2013/7/6-7)


7月6日、7日の2日間、毎年恒例の整形外科リハビリテーション学会主催 宿泊技術研修会に実技講師として参加してきました。100名近い理学療法士が全国から集まり、当院からは齊藤太介先生も参加しました。

1日目の午前中は股関節周囲筋の解剖と触診、足関節を構成する骨と靭帯の解剖と触診を行いました。午後からの前半は私の養成校時代の同期である平針かとう整形外科の岡西尚人先生が腰椎の機能改善についての講義と治療実技を、後半は恩師である中部学院大学教授の林典雄先生が肩、腰、膝の解剖からみる拘縮治療技術の講義が行われました。

私が特に興味を持ったのは腸腰靭帯の解剖と機能です。

腸腰靭帯の模式図
腸腰靭帯には第5腰椎横突起尖端から腸骨稜に付く下方線維束と第5腰椎横突起基部から仙骨前面に付く仙骨線維束からなる深層部と第4腰椎横突起尖端から腸骨稜に付く浅層部からなります。

腸腰靭帯の機能は一般に第4腰椎と第5腰椎の側方安定性に寄与するとされていますが、腸骨の前後傾の制動にも関与しています。腸腰靭帯の拘縮はヘルニアや辷り症の好発部位である第4、5腰椎の椎間と第5腰椎と第1仙椎の椎間の機能を低下させます。

今回の技術講習会ではその拘縮の評価と治療を学ぶことが出来ました。

2日目の午前中は碧南市民病院の浅野昭裕先生が靭帯の機能と治癒過程についてと実際のRadio Carpal Joint、距腿関節、肩鎖関節に付く靭帯の解剖と機能、その治療技術について、午後からは松阪中央総合病院の熊谷匤晃先生が股関節周囲の評価と治療について講義が行われました。熊谷先生の講義の中で引用されていた、養成校時代同期のさとう整形外科の赤羽根良和先生の「Solheim testおよび外旋強制テストにより誘発される疼痛部位と伸張組織の検討」では股関節屈曲位での梨状筋の伸張方向について検討されていました。梨状筋は股関節の外旋筋ですが、股関節90°屈曲位では内旋に作用する可能性があります。臨床症状と整形外科テストの症状再現からその可能性について報告しているものです。私自身も臨床でそのことについては感じていましたが、赤羽根先生の検討方法を学ぶことが出来ました。今回の検討方法を参考に臨床で感じていることを私も報告していけたらと思います。

1日目の講義終了後には懇親会が行われ、夜遅くまで理学療法について語り合う、熱い時間を持つことが出来ました。私はいつもの通り師匠である整形外科医の加藤明先生に厳しくも温かくご指導頂き、これからの私自身の進むべき方向性について考えることが出来ました。

今回の講習会を通して学び感じたことを臨床での治療に活かし少しでも患者さんが良くなるよう努力を続けていきたいと思います。




2013/06/26

第48回日本理学療法学術大会&第48回京都病院学会

第48回日本理学療法学術大会
写真左から一志先生、為沢先生、齊藤先生
 
 第48回日本理学療法学術大会(平成25年5月24日~26日、名古屋国際会議場)にて当院の一志有香先生が研究報告を口述発表をされました。演題は「膝関節屈曲に伴う中間広筋と外側広筋の筋間における組織弾性変化~ShearWave  Elastographyを用いた評価~」で、エラストグラフィーという最新の超音波画像診断装置を用いて、膝関節屈曲に伴う筋の硬さの変化を研究した報告です。人工関節置換術後や前十字靭帯再建術後など膝関節可動域拡大は理学療法を行う上でとても大切です。今回の研究を通して、膝関節可動域制限の要素が大腿外側の筋間に存在することが解りました。

 第48回京都病院学会(平成25年6月9日、池坊短期大学)にて当院の為沢一弘先生と齊藤太介先生がそれぞれ症例報告を口述発表をされました。為沢先生の演題は「階段降段時痛が残存した変形性膝関節症の理学療法」で、変形性膝関節症症例によくみられる階段降段時痛(階段を降りるときの膝前部の痛み)の解釈と運動療法について報告されました。齊藤先生の演題は「橈骨頚部骨折における解剖学的解釈」で、橈骨頚部骨折後の肘関節屈伸制限と前腕回内外制限の解釈を解剖学的に考察されました。どちらの症例報告も治療成績は良好で、同じような症状に悩まれている患者さんのリハビリテーションを行う上でも有用な発表でした。

 京都下鴨病院 理学療法部では一人一人の患者さんのリハビリテーション治療を通して得られた知見や研究により得られたことを基にさらに治療効果の高い理学療法を提供出来るよう、各理学療法士が研究し、臨床に反映させています。それらの知見を学会で発表することで情報発信し、より多くの患者さんのリハビリテーションに活用して頂けるよう、社会貢献に努めています。

All for a smile of patient...

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