2013/07/08

整形外科リハビリテーション学会主催 第14回宿泊技術研修会 @三重県湯の山(2013/7/6-7)


7月6日、7日の2日間、毎年恒例の整形外科リハビリテーション学会主催 宿泊技術研修会に実技講師として参加してきました。100名近い理学療法士が全国から集まり、当院からは齊藤太介先生も参加しました。

1日目の午前中は股関節周囲筋の解剖と触診、足関節を構成する骨と靭帯の解剖と触診を行いました。午後からの前半は私の養成校時代の同期である平針かとう整形外科の岡西尚人先生が腰椎の機能改善についての講義と治療実技を、後半は恩師である中部学院大学教授の林典雄先生が肩、腰、膝の解剖からみる拘縮治療技術の講義が行われました。

私が特に興味を持ったのは腸腰靭帯の解剖と機能です。

腸腰靭帯の模式図
腸腰靭帯には第5腰椎横突起尖端から腸骨稜に付く下方線維束と第5腰椎横突起基部から仙骨前面に付く仙骨線維束からなる深層部と第4腰椎横突起尖端から腸骨稜に付く浅層部からなります。

腸腰靭帯の機能は一般に第4腰椎と第5腰椎の側方安定性に寄与するとされていますが、腸骨の前後傾の制動にも関与しています。腸腰靭帯の拘縮はヘルニアや辷り症の好発部位である第4、5腰椎の椎間と第5腰椎と第1仙椎の椎間の機能を低下させます。

今回の技術講習会ではその拘縮の評価と治療を学ぶことが出来ました。

2日目の午前中は碧南市民病院の浅野昭裕先生が靭帯の機能と治癒過程についてと実際のRadio Carpal Joint、距腿関節、肩鎖関節に付く靭帯の解剖と機能、その治療技術について、午後からは松阪中央総合病院の熊谷匤晃先生が股関節周囲の評価と治療について講義が行われました。熊谷先生の講義の中で引用されていた、養成校時代同期のさとう整形外科の赤羽根良和先生の「Solheim testおよび外旋強制テストにより誘発される疼痛部位と伸張組織の検討」では股関節屈曲位での梨状筋の伸張方向について検討されていました。梨状筋は股関節の外旋筋ですが、股関節90°屈曲位では内旋に作用する可能性があります。臨床症状と整形外科テストの症状再現からその可能性について報告しているものです。私自身も臨床でそのことについては感じていましたが、赤羽根先生の検討方法を学ぶことが出来ました。今回の検討方法を参考に臨床で感じていることを私も報告していけたらと思います。

1日目の講義終了後には懇親会が行われ、夜遅くまで理学療法について語り合う、熱い時間を持つことが出来ました。私はいつもの通り師匠である整形外科医の加藤明先生に厳しくも温かくご指導頂き、これからの私自身の進むべき方向性について考えることが出来ました。

今回の講習会を通して学び感じたことを臨床での治療に活かし少しでも患者さんが良くなるよう努力を続けていきたいと思います。




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