2020/05/04
変形性股関節症のリハビリテーションについて講演しました @京都 Jan. 26, 2020
運動器コンディショニング勉強会で変形性股関節症のリハビリテーションについて講演させて頂きました。会場はやまぎわ整形外科でした。ホームグラウンドの京都での講義ということ、そして勤務先の京都下鴨病院とも近い会場で、アットホームな雰囲気で講義をさせて頂けました。
今回お伝えしたかった事は、変形性股関節症に対するリハビリテーションの考え方や病態把握、治療手技はもちろんですが、病態把握に必要な臨床推論の過程です。ある特定の所見があると病態を決めつけてしまうということがよくあります。いわゆる「決め撃ち」です。これは理学療法士がよく陥るピットフォールの入り口となります。
我々理学療法士が行う治療手技はとてもシンプルです。我々が治療できることは関節可動域、筋力、そして協調した運動(平衡感覚を含むバランスや運動学習とも表現されるもの)だけです。これらを組み合わせる事で動作に関節やその周辺の軟部組織に加わる機械的刺激が軽減する事で疼痛が軽減もしくは消失します。理学療法士の技術として最も難しいものは触診技術です。今自分が何を触れているのか、患者さんの訴えの要因はどの組織か、が解らなければ治療は始まりません。
その中で、病態解釈に必要な知識や技術がどれだけあったとしても「決め撃ち」していては治療がうまく進みません。運良く的を獲ていれば、治療は円滑に進みます。しかし的はずれな病態解釈をしてしまうと良くなるはずの症状もなかなかよくなりません。もちろん我々は魔法使いではありませんので、病態によっては理学療法の限界ということもあります。
だからこそ病態把握は治療を行う上で最も重要といえます。画像所見や理学所見で多くのことが解る場合がほとんどですが、「決め撃ち」せず、「〇〇かもしれない」、「△△かもしれない」、「▲▲の可能性もある」と常に多くのことを想定していくことが大切です。臨床推論過程の中で常にこの様に考えることが臨床の理学療法士には必要だと考えています。
今回の講義では知識と技術の伝達に加えて、この部分を強調してお話しさせて頂きました。私の職場に近い先生方が参加されておられましたので、これから更にお互いに協力し合える関係が構築できればと思っています。今回の様な地域での横の繋がりはとても重要だと考えています。
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