京都下鴨病院で整形外科の理学療法士をしている小野志操のブログです。
肩関節・肘関節・手関節・股関節・膝関節・足関節・腰背部の術後療法や保存療法、スポーツ障害に対するリハビリテーションを行なっています。
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水戸PhysicalTherapy研究会で変形性膝関節症に対する理学療法について講演しました @ 北水会記念病院 10-11, Mar., 2018


水戸PhysicalTherapy研究会で変形性膝関節症に対する理学療法について講演してきました。
今回は京都下鴨病院の為沢一弘先生にアシスタントとしてご協力して頂きました。

40歳以上で変形性膝関節症の有病率は、男性42%、女性61.5%であり、人口換算すると患者数は2530万人以上(男性860万人、女性1670万人)といわれています。

我々理学療法士が日常診療で多く診る疾患の一つです。患者教育や下肢の筋力強化にエビデンスがあると報告されていますが、私個人としては漫然と筋力強化をする現状に違和感を覚えています。

確かに筋力を強化することで膝関節の支持性が向上したり、関節内ヒアルロン酸鎖が延長するとの報告があり、筋力強化を否定するつもりはありませんし、実際に私も臨床で行っています。

私が思うのは「漫然と」ということです。

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が変性する疾患でありますから、軟骨そのものに対して治療を行うことは不可能です。

そして多くの患者さんが主訴とする「痛み」に対しても理学療法士は無力です。

では、何が痛いのでしょうか?

軟骨そのものにはメカノレセプターは存在しないわけですから、軟骨が痛いということは考えにくいわけです。勿論軟骨下骨が露出するような状態にまで軟骨が変性すれば骨性の疼痛が出現します。

しかし多くの患者さんは軟骨下骨が露出していない状態(Kallegren-Lawrense分類1~3)でも疼痛が出現します。関節内の炎症性疼痛であれば前述したように理学療法士は為す術もない訳ですが、この時期の疼痛発生要因の多くは「運動時痛」です。

つまり関節に加わる過剰な機械的刺激により疼痛が誘発されているわけです。この機械的刺激を軽減させることは理学療法で可能であり、結果として「運動時痛」を消失ないし軽減させることが出来るということになります。

今回の講義では膝関節だけでなく、股関節と変形性膝関節症の関連に着目して、膝関節に加わる過剰な機械的刺激について機能解剖学的観点からお話をさせて頂きました。併せて私が臨床で行なっている治療の一部を実技で紹介させて頂きました。

理学療法士になって19年目の今年、今まで以上にこれまで培ってきた「病態解釈」と「治療技術」の「伝承」に尽力して行きたいと思います。

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