2009/10/17

Pigmented Villonodular Synovitis (PVNS)


肩関節の患者さんをみています。complete openを受けられて9週です。
PVNSついては膝関節での報告はよくありますが、肩関節での症例報告は少ないみたいです。あってもscopyで、びまん性でもちゃんと取れるよ的な内容が多いですね。以前、足関節で同じ診断名がついていた患者さんの治療経験はありますが、肩関節は初めてです。

術式としてはopen-bankartとほぼ同じ進入方法で行われたようで、肩甲下筋・関節包を切って肩関節内の滑膜組織を摘出されています。SABも操作されていて、摘出後関節包を縫合されて、1stER 20°位で肩甲下筋を縫合されたとのことです。

一般的にはscopyでのopeが行われるのですが、昨年scopyをしていて、今回再発とのことで、complete openが行われることになりました。

2週の入院後、週3~4回の外来followとしました。(入院中は週4日)

組織の修復過程を考慮して、術後2週までは肩甲骨を固定して、flex 80°、abd 30°、1stER 20°、としていました。結帯は体側でした。

以後創部の内側をブロックしながら、関節包のテンションを触診しつつ、疼痛自制内で、術後6週で肩甲骨固定下で、flex 90°、abd 80°、1stER 45°としました。結帯はL1でした。

現在は肩甲骨フリーのsupine passiveでflex 180°、abd 170°、肩甲骨固定下で、flex 90°、abd 90°、1stER 60°となり、坐位activeでflex 170°、abd 165°、1stER 45°、結帯はTh8となっています。JOA score 93点(減点項目は1stERとMMT、enduranceです。)

論文的には72週でJOA score 88点との報告がありました。それに比べれば良好だとは思いますが、G‐H上方のadhesionに手こずったこと、その原因として考えられるのが、stoopingの下手さです。加えてHumeral headのnormal trackingをまだまだ理解できていないなぁ~ってことも痛感しました。

Humeral headを如何にGlenoidとの各関節角度におけるcontact area内で回転中心に合わせてゆとりを持って動かせるかが重要ですが、そのために必要なsoft tissueのゆとりを何処に求めればいいのかという評価能力、そしてその組織にゆとりを出す治療技術、すべてにおいてまだまだです。

もう暫く外来followを続けることができますので、なんとか健側との差を無くしたいと思います。

All for a smile of patient...

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