京都下鴨病院で整形外科の理学療法士をしている小野志操のブログです。
肩関節・肘関節・手関節・股関節・膝関節・足関節・腰背部の術後療法や保存療法、スポーツ障害に対するリハビリテーションを行なっています。
すべては患者さんの笑顔のために」日々研鑽しています。 All for a smile of patient... by OH!NO!DX

リハノメPTの撮影 @gene, 名古屋 May 10, 2020


不要不急の外出や県外(私の場合は府外)移動の自粛が必要なこの時期に様々なご意見があるとは思いますが、細心の注意を払った上で、自家用車で名古屋の株式会社geneでリハノメPT(理学療法士向けのe-ラーニング)https://www.gene-llc.jp/rehanomept/ の撮影へ伺いました。

理学療法士の卒後教育の在り方について、現状がベストでないことは常々想っているところではありますが、ハンズオンセミナーに一定のニーズや意味があると考えています。しかし、昨今の状況ではその開催が元通りに行われることが難しいと感じています。そんな中、多くのセミナー運営企業がWebinarの開催や今回の様なe-ラーニングを模索しています。

今回の出演依頼に関しては、府外への移動を伴うこともあり、どうするべきか熟慮した結果、オファーを受けることにしました。今回の移動については新幹線での移動も考えましたが、自家用車の使用がよりベターなのではと考えました。車内に消毒用アルコールを携帯し、車外へ出る度に手指消毒をしました。もちろんマスクも着用し、想定出来る感染予防策は全て講じた上での移動となりました。ご批判があることは十分承知していますが、何らかの形で理学療法士の卒後教育に携わることへの使命もあります。

理学療法士が行う治療には徒手操作が伴うことが多い以上、何かの形で治療技術を伝承していく必要があります。本来であれば、勤務先の先輩から後輩へ直接技術指導がなされることがベストなのだと思います。医師の場合はフェローシップのような制度が充実していますが、理学療法士はそうではありません。何らかの形で技術や技術に必要な知識を次世代へ伝承していく術を模索しなければいけません。当然のことながら、私の治療技術が果してベストなものなのかどうかについても疑問がありますが、一定の水準に到達する(少なくとも私程度のところまで)ためには、今後もこのような活動は必要であると考えています。

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The 2nd Annual Congress of Asia Society of Hip Arthroscopy & Preservation で発表しました Apr. 4-5, 2020

ASHA website
The 2nd Annual Congress of Asia Society of Hip Arthroscopy & Preservation で Femoroacetabular Impingement Syndromeに対する股関節鏡視下手術後の当院での理学療法とその1年成績について発表しました。今回の学会は新型コロナ感染症(COVID-19)感染拡大防止を目的にWeb開催となりました。
発表スライド
我々は股関節の解剖学とその機能に着目した理学療法を行なっています。(もちろん治療効果があるとされる、体幹トレーニングも併せて行なっています。)

当院の治療成績では手術後に股関節の可動域は術後3ヶ月、疼痛は術後6ヶ月で術前と比較して統計学的に有意に改善していました。特に可動域は今までされている報告と比較しても良好な成績となっています。一方で、mHHSやNAHSなどのPROの改善には術後12ヶ月を要しており、手術適応も含めて今後検討していくべき問題点も見出せました。

この様に自身の治療成績を振り返ることを重ねながら、より良い理学療法の提供を目指して日々研鑽していきたいと思います。

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機能解剖学に基づいた人工膝関節全置換術後の運動療法が発売されました Mar. 2, 2020



ジャパンライム社より私が監修したDVD「機能解剖学に基づいた人工膝関節全置換術後の運動療法〜術後膝関節可動域改善のために必要な考え方とスキル」が2020年3月2日に発売されました。今回も多くの方々からご支援を頂いて発売することが出来ました。改めて感謝申し上げます。

TKAは年間10万件を超える件数が行われている手術で、整形外科で行われている人工関節の手術としては特殊なものではありません。しかし、術後療法について統一した方法や見解はありません。日々臨床で患者さんの治療をしていく中で必要な知識や技術、治療のちょっとしたポイントや些細な工夫まで、なるべく解りやすく解説しました。

本DVDでは、治療技術の詳細になるべく多くの時間を割きました。動画だけでは解りにくい部分もあるかもしれませんが、臨床での問題解決に少しでもお役に立てればと考えています。

DVDは以下の様な構成になっています。


Chapter1
TKA手術とは
TKA手術後の考え方
浮腫の管理
《実技》弾力包帯の巻き方
Chapter2
可動域改善の考え方
可動域改善の考え方
可動域改善の考え方
可動域改善の考え方
Chapter3
可動域拡大の方法
可動域拡大の方法
《実技》可動域改善のための自動運動
Chapter4
影響を及ぼす因子
影響を及ぼす因子
影響を及ぼす因子
Chapter5
膝関節屈曲可動域と膝蓋骨位置の特徴
Chapter6
症例に対する徒手操作例
Chapter7
《実技》術創部に対する徒手操作
《実技》大腿筋膜から腸脛靭帯の滑走性改善の方法
《実技》膝蓋上包の癒着予防
《実技》膝蓋支帯の滑走性改善
《実技》大腿四頭筋に対するリラクセーション操作
《実技》大腿二頭筋 長頭/短頭に対するリラクセーション操作
《実技》Popliteal fatの拘縮予防
《実技》膝窩筋に対するリラクセーション操作
《実技》ファベラ腓骨靭帯のストレッチング
《実技》半膜様筋に対するリラクセーション操作

詳細はジャパンライム社ウェブサイトより

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THAとTKAに対する理学療法について講演しました @福岡 geneセミナー Feb. 23, 2020


株式会社gene主催のセミナーで「THA & TKAに対する運動療法」について講義させて頂きました。今まで名古屋、大阪、東京で開催させて頂きましたが、今回は福岡での開催でした。いつも感じることですが、参加される理学療法士はとても熱心で向上心にあふれています。加えて感じることは、理学療法士の卒後教育の在り方です。

いつも行なっているハンズオンセミナーは必要だと感じていますが、今の在り方が本質かと問われると、「ベストなことではない」というのが私の率直な思いです。では、どの様な在り方がいいのか、答えは見つかりません。一つ言えることは、今の養成校在学中の教育だけでは臨床では対応しきれないということです。医師の様な卒後研修期間が設けられればベターなのだと思います。しかしこれには国の制度としての対応が求められます。医療においてリハビリテーションの位置付けがどの様に捉えられているのか、私には推し量ることが出来ません。臨床で日々患者さんと接している中で、決して不必要な領域では無いということは確信しています。

施策が変わらない中で、今出来る事をしていかなければなりません。私に出来ることは今まで培ってきた知識と技術の伝承と、学び方を伝えていく事だけです。この活動が多くの患者さんの笑顔に繋がるはずだと思い、これからも何かの形で自分に出来ることを行なっていきたいと考えています。

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肩関節に対する理学療法について講演しました @埼玉 Feb. 9, 2020


群馬にあるLSP[Learning Support for Professionals]という団体からお招き頂き、肩関節に対する理学療法について講義させて頂きました。今回はクローズドセミナーの形で非公式にLSPに所縁がある方々を対象に講義をさせて頂きました。

最近では様々な団体からお招きを頂く機会が増えて来ました。この様な繋がりを通して、整形外科領域における理学療法が発展していければと思っています。私自身まだまだ勉強中です。多くの方々とお話しする機会を頂く中で更に学んで行きたいと思います。

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手術見学に行きました @足立外科整形外科, 札幌 Jan. 27, 2020


札幌の足立外科整形外科に加谷光規先生のところへ手術見学に行って来ました。
今回は私と同僚の為澤一弘先生が担当している患者さんを加谷先生に手術して頂きました。産業医科大学若松病院の内田宗志先生もお越しになられ、さながら日本の股関節鏡二大巨頭による手術を見学させて頂くという機会となりました。

今回の患者さんに対する理学療法では、その限界を感じていたことからこの様な機会となった訳ですが、手術を通して自身が一体どの様な病態と闘っていたのか、理学療法の適応と限界について考えることが出来ました。

昨今、医師や理学療法士の世界では安易に組織間の「癒着」という表現を使用することがある様に思います。今回の手術見学では「癒着」とはどの様な状態なのか、組織間の滑走不全、組織の線維化、組織間の癒着について深く考えることが出来ました。

ハイドロリリース は一体何をしているのか、癒着を剥離するとはどういうことなのか、その中で理学療法士は何が出来て、何が出来ないのか、を今一度考えなければなりません。今回の手術を通して「癒着」は理学療法士では治せないというのが今の私の見解です。臨床の理学療法士が研究したところでは解決し獲ない事柄が含まれいますが、組織の修復過程と併せて病態を把握しつつ日々の臨床に臨まなければなりません。

とても学びの多い手術見学となりました。加谷先生、内田先生には感謝してもし切れない一日となりました。

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変形性股関節症のリハビリテーションについて講演しました @京都 Jan. 26, 2020


運動器コンディショニング勉強会で変形性股関節症のリハビリテーションについて講演させて頂きました。会場はやまぎわ整形外科でした。ホームグラウンドの京都での講義ということ、そして勤務先の京都下鴨病院とも近い会場で、アットホームな雰囲気で講義をさせて頂けました。

今回お伝えしたかった事は、変形性股関節症に対するリハビリテーションの考え方や病態把握、治療手技はもちろんですが、病態把握に必要な臨床推論の過程です。ある特定の所見があると病態を決めつけてしまうということがよくあります。いわゆる「決め撃ち」です。これは理学療法士がよく陥るピットフォールの入り口となります。

我々理学療法士が行う治療手技はとてもシンプルです。我々が治療できることは関節可動域、筋力、そして協調した運動(平衡感覚を含むバランスや運動学習とも表現されるもの)だけです。これらを組み合わせる事で動作に関節やその周辺の軟部組織に加わる機械的刺激が軽減する事で疼痛が軽減もしくは消失します。理学療法士の技術として最も難しいものは触診技術です。今自分が何を触れているのか、患者さんの訴えの要因はどの組織か、が解らなければ治療は始まりません。

その中で、病態解釈に必要な知識や技術がどれだけあったとしても「決め撃ち」していては治療がうまく進みません。運良く的を獲ていれば、治療は円滑に進みます。しかし的はずれな病態解釈をしてしまうと良くなるはずの症状もなかなかよくなりません。もちろん我々は魔法使いではありませんので、病態によっては理学療法の限界ということもあります。

だからこそ病態把握は治療を行う上で最も重要といえます。画像所見や理学所見で多くのことが解る場合がほとんどですが、「決め撃ち」せず、「〇〇かもしれない」、「△△かもしれない」、「▲▲の可能性もある」と常に多くのことを想定していくことが大切です。臨床推論過程の中で常にこの様に考えることが臨床の理学療法士には必要だと考えています。

今回の講義では知識と技術の伝達に加えて、この部分を強調してお話しさせて頂きました。私の職場に近い先生方が参加されておられましたので、これから更にお互いに協力し合える関係が構築できればと思っています。今回の様な地域での横の繋がりはとても重要だと考えています。

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THA術後脱臼予防の考え方について講演しました @東京 Jan. 13, 2020


整形外科リハビリテーション学会東京支部主催の股関節シンポジウムで「THA術後脱臼予防の考え方」について講演しました。この日は午前が変形性股関節症のセッションで6演題、午後から大腿骨頚部骨折のセッション6演題のスケジュールとなっていました。

私は午前中のセッションの6演題目で、発表後にディスカッションが行われました。整形外科リハビリテーション学会らしく学術的かつ臨床的で忌憚のないディスカッションが行われました。

THAという手術は変形性股関節症の最終手段の手術です。日本における人工関節手術の中で歴史が最も古く、満足度も他の人工関節手術の中でも比較的高いものだと言われています。その最大の問題点は術後脱臼といっても過言ではありません。最先端の画像解析と動作解析を組み合わせた機器を用いて、患者個々の脱臼肢位を把握する手法もありますが、多くの民間病院にそのような機器は導入されていません。その中で我々理学療法士がどの様に術後脱臼を予防していくべきなのかについてお話させて頂きました。

当日は100名を超える参加者があり、参加された皆さんの臨床に少しでも今回のシンポジウムが役立てられればと感じた1日でした。

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