京都下鴨病院で整形外科の理学療法士をしている小野志操のブログです。
肩関節・肘関節・手関節・股関節・膝関節・足関節・腰背部の術後療法や保存療法、スポーツ障害に対するリハビリテーションを行なっています。
すべては患者さんの笑顔のために」 All for a smile of patient... by OH!NO!DX

臨床家のための運動器研究会で講演しました @川崎市産業振興会館&運動と医学の出版社セミナールーム 12-13, May, 2018


臨床家のための運動器研究会で「エビデンスに基づくTHA・TKA術後運動療法の実際」と題して2日間講演させて頂きました。

1日目はおよそ80名くらいでしょうか、多数の方が参加されての座学セミナー、2日目は運動と医学の出版社セミナールームに場所を移して20数名の少人数での実技セミナーをさせて頂きました。

研究会を主宰しておられる、コンディション・ラボの園部俊晴先生、関東労災病院の今屋健先生には1日目の講演の後に宴席を設けて頂き、熱い理学療法談義に花が咲きました。

今回お招き頂いたきっかけは、東京関節外科センター昭島整形外科の盟友 八木茂典先生にご推薦していただいたからです。八木先生には私の様な者にいつも気にかけて頂いて感謝の気持ちで一杯です。本当に私は人に恵まれ、支えられて理学療法士として活動できているということを実感した2日間でした。

これからも臨床に、研究に、努力を続けて行きたいと思います。

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第6回国際女子相撲選抜堺大会を観戦しました @ 堺市大浜公園相撲場 5, Apr. 2018


第6回国際女子相撲選抜堺大会を観戦、立命館大学相撲部の応援をしました。
縁あって日本の女子相撲界をリードする2人の選手を担当させて頂いています。

結果は、

無差別級優勝と3位
重量級準優勝
軽量級3位
団体戦準優勝

と大活躍でした。

今年の10月まで国内の大会が続きます。
7月には世界大会が台湾で開催されます。

予定があってなかなか応援に行けませんが、益々活躍してもらいたいと思います。



医療と検査機器・試薬 Vol.41 No.2 2018 特集を書かせて頂きました



京都橘大学大学院の横山茂樹教授のご厚意で「運動器リハビリテーション領域における超音波画像診断装置の活用方法」について書かせて頂きました。

特集(1):リハビリテーション領域における検査機器・測定装置の活用法
1. はじめに 横山 茂樹先生(京都橘大学大学院 健康科学研究科)
2. 三次元動作解析装置の活用法 山田 英司先生(総合病院回生病院 関節外科センター附属理学療法部)
3. 動作・運動計測機器の活用法~下肢荷重検査~ 野田 優希先生・他(藤田整形外科スポーツクリニック)
4. 動作筋電計装置の活用法 加藤 浩先生(九州看護福祉大学大学院 看護福祉学研究科 健康支援科学専攻)
5. 脳波研究をいかにリハビリテーションへ活用するか 兒玉 隆之先生・他(京都橘大学大学院 健康科学研究科)
6. 超音波画像診断装置の活用方法-超音波画像診断装置を用いた運動器リハビリテーションにおける評価と病態解釈- 小野 志操(京都下鴨病院 理学療法部)
7. 呼吸器系検査装置の活用方法 堀江 淳先生(京都橘大学 健康科学部 理学療法学科)
8. 心臓リハビリテーションにおける循環器系検査装置の活用法 内藤 紘一先生(白鳳短期大学 総合人間学科 リハビリテーション学専攻)
9. ICU における検査・機器の活用法 ~モニタリングシステムを用いて~ 藤田 雅子先生(滋賀医科大学医学部附属病院 リハビリテーション部)

私以外は錚々たる先生方が書かれており、些か場違いな感じが否めませんが、折角与えて頂いた機会なので私の等身大の内容で書かせて頂きました。

拙論ではありますが、ご興味があられましたらご一読ください。

隔月刊「医療と検査機器・試薬 Vol. 41 No. 2」宇宙堂八木書店

加谷光規先生の手術を見学してきました @ 羊ヶ丘病院 12, Mar., 2018

真ん中:加谷先生、左:為沢先生、右:私
水戸PhysicalTherapy研究会での講演終了後、其の足で羽田空港から札幌へ移動し、翌日羊ヶ丘病院を訪ねました。

目的は私が尊敬して止まない整形外科医 加谷光規先生の股関節鏡視下手術を見学するためです。

加谷先生とは2013年にミュンヘンで開催されたISHA(国際股関節鏡学会)で知り合って以降のお付き合いです。昨年、私が所属している整形外科リハビリテーション学会の特別講演会でもご講演して頂きました。

2013年ISHAにて:前列真ん中:加谷先生、前列右端:私
加谷先生の股関節痛に対する理路整然とした病態解釈には本当に心酔します。
いわゆるFemoroacetabular Impingimentと呼ばれる病態について、股関節唇損傷が本当に疼痛を誘発しているのか?また、鏡視下手術で股関節唇修復術の適応とはどのようなものなのか?という命題に対する加谷先生の見解には大いに賛同出来ます。

今回はどうしても加谷先生の手術を見てみたかったのです。加谷先生は、X線学的に骨形態異常が確認され、MRI上で一部股関節唇損傷が確認出来る症例に対して、一定の評価基準を満たしていれば、RIM triming+RefixationやCAM osteochondroplastyを伴う股関節唇修復術を行わず股関節周囲の軟部組織の癒着剥離のみを関節鏡を用いて行われています。この概念はまさに我々理学療法士が行なっている股関節治療を外科的に行う究極の形だと思っています。

通常の股関節鏡手術では大腿骨を40分程度牽引して手術を行いますが、この方法であれば股関節の状態を確認する2〜3分のみの牽引時間で済みますから、手術による股関節に加わる侵襲は最小限です。しかも加谷先生は通常鏡視下手術時に灌流させる生理食塩水に一定の圧をかけるためのポンプも使用されませんので、真の意味での低侵襲での手術を行われます。手術そのものも丁寧かつ短時間で手術開始からおよそ30分程度の手術時間でした。

アスリートが股関節唇修復術を受けられると通常競技復帰までに6ヶ月程度は要しますが、加谷先生の手術であれば2週間程度で競技復帰が可能だそうです。

今回手術を見学させて頂いて、実際に生体での股関節周囲の解剖と病態を観察することが出来ました。この経験を今後の理学療法に活かしていき、1日でも早く患者さんの症状を改善させることが出来る様に取り組んでいきたいと思います。

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水戸PhysicalTherapy研究会で変形性膝関節症に対する理学療法について講演しました @ 北水会記念病院 10-11, Mar., 2018


水戸PhysicalTherapy研究会で変形性膝関節症に対する理学療法について講演してきました。
今回は京都下鴨病院の為沢一弘先生にアシスタントとしてご協力して頂きました。

40歳以上で変形性膝関節症の有病率は、男性42%、女性61.5%であり、人口換算すると患者数は2530万人以上(男性860万人、女性1670万人)といわれています。

我々理学療法士が日常診療で多く診る疾患の一つです。患者教育や下肢の筋力強化にエビデンスがあると報告されていますが、私個人としては漫然と筋力強化をする現状に違和感を覚えています。

確かに筋力を強化することで膝関節の支持性が向上したり、関節内ヒアルロン酸鎖が延長するとの報告があり、筋力強化を否定するつもりはありませんし、実際に私も臨床で行っています。

私が思うのは「漫然と」ということです。

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が変性する疾患でありますから、軟骨そのものに対して治療を行うことは不可能です。

そして多くの患者さんが主訴とする「痛み」に対しても理学療法士は無力です。

では、何が痛いのでしょうか?

軟骨そのものにはメカノレセプターは存在しないわけですから、軟骨が痛いということは考えにくいわけです。勿論軟骨下骨が露出するような状態にまで軟骨が変性すれば骨性の疼痛が出現します。

しかし多くの患者さんは軟骨下骨が露出していない状態(Kallegren-Lawrense分類1~3)でも疼痛が出現します。関節内の炎症性疼痛であれば前述したように理学療法士は為す術もない訳ですが、この時期の疼痛発生要因の多くは「運動時痛」です。

つまり関節に加わる過剰な機械的刺激により疼痛が誘発されているわけです。この機械的刺激を軽減させることは理学療法で可能であり、結果として「運動時痛」を消失ないし軽減させることが出来るということになります。

今回の講義では膝関節だけでなく、股関節と変形性膝関節症の関連に着目して、膝関節に加わる過剰な機械的刺激について機能解剖学的観点からお話をさせて頂きました。併せて私が臨床で行なっている治療の一部を実技で紹介させて頂きました。

理学療法士になって19年目の今年、今まで以上にこれまで培ってきた「病態解釈」と「治療技術」の「伝承」に尽力して行きたいと思います。

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