The Nervous System of 'Harriet Cole'
(画像はPinterestのDrexel University College of Medicineに登録して引用)
萩原祐介先生のご講演に出てきた「ハリエット・コール」について調べてみました。
「ハリエット・コール」の神経組織
ドレクセル医科大学(ペンシルバニア州フィラデルフィア)に展示
「ハリエット・コール」は、1880年代にハーネマン医科大学(ドレクセル医科大学の前進)で清掃スタッフの一員として働いていた女性だった。彼女は35歳で結核で亡くなった後、解剖学の教授であったルーファス・B・ウィーバー博士が、彼女の神経組織全体を慎重に摘出した。少なくともそういう話で、この神経標本が誰であるのかについては諸説あるそうです。
1888年、ウィーバー博士は5ヵ月かけて組織を切離し、脊髄神経系を露出させて摘出しました。神経はまずガーゼに包まれて保護され、それから一本一本の神経を鉛を主成分とする白い塗料で覆い脱脂したとのことです。この神経を人体の形に並べて神経系全体を展示用標本として作成しました。1893年のシカゴ万国博覧会にこの標本を出品したプレミアム科学賞を受賞したそうです。
この標本写真を見た印象は、神経とは連続した構造物として捉えられるということ。
あるどこか一つの神経を遠位に牽引すれば、その近位に牽引ストレスが加わるだろうと想像できます。
神経の電気生理学的機能は遠心性であったとしても、構造体として捉えると、遠位の刺激が近位に加わっても何ら不思議はなさそうです。