この度、 2021年2月1日に「Wow Factor&Co」という任意団体を設立しましたので、ご報告させて頂きます。この団体の設立に至った理由は幾つかあります。一つにはこのブログ内でも何度か書かせて頂きましたが、セラピストの一貫した質の高い卒後教育の担保です。
日本におけるセラピストの卒後教育は個々の自助努力に委ねられています。私は理学療法士、作業療法士をはじめとする運動器リハビリテーションに関わるセラピストの継続的教育はすべての人の健康に不可欠であると考えています。
そこで、まず第一段階として、運動器リハビリテーションに特化した、整形外科領域のトップランナーによる質が高く、臨床家に有益なセミナーを企画・開催することで、以下のような活動を行うこととしました。
- 質の高い継続的教育の提供。
- セラピストが自らの診療を検討し、改善するための支援をする。
- 臨床における疑問を解決するための学習を支援する。
ここまでを見ると、「なんだ、ただのセミナー会社を作っただけやん」という声が聞こえてきそうですが、いわゆるセミナー会社とは一線を画す内容にしたいと思っています。
第一に「運動器リハビリテーションに特化している」という点です。私は20年間の理学療法士生活において、そのほとんどを運動器リハビリテーションの領域で関わってきました。ですから、正直なところ、中枢領域や内部障害領域などのエキスパートの見極め方法を知りません。なので、その見極めが出来る運動器領域に特化することとしました。
第二に「臨床家に有益である」という点です。ここに関しては誤解がない様にしたい最も重要な点です。「〇〇法」や「〇〇テクニック」と言われる様な、単に「技術」の習得だけを目的としている訳ではありません。「なぜその技術が必要なのか」、「どう評価するのか」、「それらを裏打ちするエビデンスは何か」についてセラピスト自身が自ら考え、実践し、得られた結果から再度検討し、改善すべきは改善できるように「考える力」を身につけることができるように誘う内容にしたいと思っています。
第三には「疑問を解決するための学習の支援」です。「考える力」とはまさにここを指しています。これは「学者」ではなく「臨床家」として本来必要な「学習の在り方」を身につけるための「学習の支援」です。本来臨床家が行う学習の成果とは、我々が対象とする患者さんやクライアントが良くなるということです。ただ単にセラピストの知識が増えるだけでは意味がありません。「治すもしくは良くするため」の学習を支援します。具体的には臨床での疑問を解決するために、「臨床力があるトップランナーはどのようにしているのか」という点に着目して講師を選定します。整形外科医はどのようにして治療成績を出しているのか、成績不良例から何をどう学び治療へ反映させているのか、臨床力があるセラピストについても同様です。ここを学べるようにすることが大切だと考えています。
これらの点について臨床教育に信念と情熱を持って、卓越性にコミットメントしたいと考えています。現状の制度下で如何に臨床教育を行うべきかについて本気で臨みたいと思います。
私の考えはここだけに止まりません。今後近い将来に人的に飽和する我々理学療法士や運動器リハビリテーション に携わるセラピストが如何に生き残って行くべきかという点についてもこの団体の活動を通して答えを出していきたいと考えています。この点においては治療成績が出せる実践者になることが第一義となります。ここなくして「生き残り」はあり得ません。だからこそ本質的な臨床教育が重要となります。
そしてその知識と技術で勝負ができるようなシステムを構築する必要があります。現状のままでは必ず淘汰される時代が来ます。というかその時代はすぐそこまで来ています。今まで通り病院やクリニックや施設で生き残るために、もしくはそれら以外の方法で保険診療下や自費診療で力を発揮する方法を開発し、実践する土壌を作り出したいと考えています。この領域に到達するためには任意団体という枠組みではいけませんので、いずれ会社という形態に移行していく必要があります。そして次世代を担う人たちへ継承していかねばなりません。
日本理学療法士協会が行っている卒後教育や一部の団体や学会が行っている活動そのものにも限界があると考えています。ちなみに米国においては理学療法士と作業療法士の卒後教育を体系的に行う全米規模のセミナー企業が存在します。この企業は米国におけるPT・OT協会から業務委託を受ける形で一括して卒後教育を担っています。私が目指す教育における最終形態はそれに近いものがあります。この点に関してはまだまだ夢の段階ですが、実現可能であると思っています。
私のイメージは明確なのですが、このブログ内ではひとまずここまでとしておきます。臨床の理学療法士として20年、昨年50歳を迎えました。これを天命として残りの人生を患者さんのために尽力していく活動を継続していきます。
ちなみにWOW FACTORとは「感動」を意味するスラングです。
All for a smile of patient... by OH!NO!DX