京都下鴨病院で整形外科の理学療法士をしている小野志操のブログです。
肩関節・肘関節・手関節・股関節・膝関節・足関節・腰背部の術後療法や保存療法、スポーツ障害に対するリハビリテーションを行なっています。
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成長期の骨盤裂離骨折

下前腸骨棘の骨端裂離骨折
下前腸骨棘の裂離骨折(Avulsion fractures of the anterior inferior iliac spine)は急激な筋収縮により発生するとされています。

骨盤裂離骨折の好発年齢は10代から20代前半です。

今回、私が診させて頂いた患者さんも10代のサッカーをしている少年でした。

日常生活やインサイドキックでは痛みがありませんが、トーキックでボールにインパクトした瞬間に股関節前面に痛みが出るとのことでした。

下前腸骨棘に圧痛があり、Ely's test の肢位で膝伸展方向に等尺性収縮を行なってもらうことで痛みが再現出来ました。

文献的には、ほとんどが安静と保存療法で症状が軽快すると報告されています。

Metzmaker JN, Pappas AM. Avulsion fractures of the pelvis. Am J Sports Med. 1985; 13(5):349-358.

Rossi F, Dragoni S. Acute avulsion fractures of the pelvis in adolescent competitive athletes: prevalence, location and sports distribution of 203 cases collected. Skeletal Radiol. 2001; 30(3):127-131.

運動療法としては下前腸骨棘に付着している大腿直筋の起始部に負担がかからないように徒手的にブロックをしたうえで、ストレッチングやリラクゼーションを行います。

小児の骨盤裂離骨折に決定的な分類はありません。

TorodeとZiegの分類:Torode I, Zieg D. Pelvic fractures in children. J Pediatr Orthop. 1985; 5(1):76-84.

Type I: 裂離骨折
Type II: 腸骨翼骨折
Type III:単純な骨盤弓骨折
Type IV: 骨盤弓の破裂骨折

Bart I. McKinneyとCory NelsonはMartin と Pipkin の坐骨結節の裂離骨折の分類(Martin TA, Pipkin G. Treatment of avulsion of the ischial tuberosity. Clin Orthop Relat Res. 1957; (10):108-18.)を参考に骨端裂離骨折の分類を提唱しています。

Type I: 転位のない骨折
Type II: 2cmまでの転位があるもの
Type III: 2cm以上の転位があるもの
Type IV: 症候性の骨折もしくは有痛性の骨軟骨腫

Bart I. McKinney, Cory Nelson, Wesley Carrion Apophyseal Avulsion Fractures of the Hip and Pelvis. Orthopedics January 2009;32 ·Issue 1 (http://www.healio.com/orthopedics/hip/journals/ortho/%7B49c02035-72df-43aa-868b-be25e911ba6c%7D/apophyseal-avulsion-fractures-of-the-hip-and-pelvis

成長期に見られる骨端線離開や裂離骨折は他にも多くありますが、また別の機会に書きたいと思います。