第42回日本人工関節学会に参加した |
23日の木曜日に前乗りして、沖縄に入った。
OH!NO!DX的には、今まで論文や本でしか名前を知らなかった人を目の前で見ることが出来て、ちょっと感動したりもした。
特に印象に残っているのは、宗田大先生や秋田恵一先生だ。
この2人の先生方はオーラが違った。
今までにも何人かの高名なドクターを見たことはあるが、同等以上の感覚を感じた。凄すぎる感じだ。宗田先生には恐怖心すら覚えた。
秋田先生の教育講演を聴講した。「股関節周囲筋群と骨盤出口筋についての臨床解剖」と題された講演。
股関節深層外旋六筋、特に内閉鎖筋と上下双子筋、梨状筋の発生学的視点からみた機能と解剖学的特徴についてだ。
これはかなり勉強になった。この講演を聴講するだけに飛行機代を払っても惜しくないくらいの内容だった。(まぁ今回は病院持ちですけど…)
学会一日目終了後、院長先生が高級ホテルで焼肉をご馳走してくだっさった。
今回は院長先生がわざわざOH!NO!DXの演題を聞きにきてくださったのだ。発表のご褒美のご馳走だ。もちろん院長先生のポケットマネーから。
先生と食事をしながら、臨床研究について、TKA術後の診療について、医療者として姿勢やあり方について、ご教授頂いた。
尊敬して止まない院長先生から直接いろいろご指導いただけた。贅沢で有意義な時間だった。
ビールにワインと気持ちよくお酒も飲めた。不思議なくらい緊張せずに自然にお話をさせていただくことができた。これも院長先生の凄さだと感じた。
高級ホテルでの夕食後、院長先生に挨拶をして、「お化けの出そうな雰囲気の部屋」に戻って、翌日の発表に備えることにした。
3日目、学会2日目の今日はいよいよOH!NO!DX自身の発表だった。
なにを隠そう、ドクターの学会で発表するのは今回が初めての経験だ。朝からかなり緊張したというか、聞いてくださるドクターの先生方の反応がどんなものなのかが不安だった。
朝からいくつか演題を聴講したが、ほとんど頭に入らなかった。発表は12時40分からだったが、11時にはポスター会場に入り、発表原稿を何度も読み返した。
行きの飛行機でANAの最新鋭機B787に乗った。高度3000feet、時速700km/hの空の旅だった。
今回は生憎の天気だったためか気流が乱れていて、とにかくよく揺れた。
飛行機が苦手なOH!NO!DXとしては何とか気を紛らわそうと悪戦苦闘した。
「そうそう、この飛行中に抄録集を読んでおこう」って思っていたが、ひどく揺れていたので、「この揺れの中で、細かい字を読んだら間違いなくリバースすることになる」と思い断念。
あと、たまたま隣に乗り合わせた方がOH!NO!DXよりも一瞬早く学会抄録集を出して読み始めたのを見て、なんとなく「先を越された感」があったということもある。
同じ飛行機には雰囲気からして「この人医者っぽい」って人が結構乗っていた。
こういう飛行機に乗っていてドラマのようにキャビンアテンダントが「お客さまで急病の方がいらっしゃいます。お医者様はお乗り合わせではないですか?」みたいな機内放送でも流れようものなら、相当な人数が集まりそうな感じだった。
それはともかく、なんとか気を紛らわすために機内放送を見ることにした。
やっていたのは「嗚呼!!涙メシ」という20分程度の放送。
石田純一さんの思い出のご飯を紹介するといった内容だった。
1つ目は、下積み時代にアリスのドラマー矢沢透さんによくおごってもらったという東京表参道の「ふーみん」という台湾料理店の「なすのニンニク炒め」。ここで「売れたら後輩におごればいいから」とご馳走になったという。なんだかいい話だ。同じ人が10数年後に「不倫は文化だ」と言ったとは思えない。
次に出てきたのは、東京銀座のすし店「きよ田」。なんでも批評家の小林秀雄の本にも登場する店らしく、今は3代目がされている老舗らしい。「店の格が客の格をつくる」店とのこと。OH!NO!DX的には縁のない店といったところか。
最後は母の味という「チキンのプロヴァンス風シチュー」。ちょっとセンチメンタルな雰囲気が漂ってきた。それでも「不倫は文化だ」が頭から離れることはなかった。
そんなこんなで、沖縄に到着。
那覇空港に降り立つと暖かいさを感じた。伊丹空港を出発したときの気温は8℃だった。
この時期の関西にしては暖かめだったが、はるかに暖かい22℃とのこと。
そして南国の空港の匂いに胸が弾んだ。昼前の便に乗ったので、昼食がまだだったから、空港で沖縄そばののぼりが出ている「天龍」というお店に入った。
郷土料理「天龍」 |
店内には芸能人のサインがいっぱい貼られていた |
独特のスープと麺が好きです。 |
ソーキそばを注文。おなかが減っていたので、たまらなく美味しかった。
なんといっても今回の沖縄は学会発表が目的だ。当然旅費は病院が負担してくれている。あまり高い値段のホテルを取るのは気が引けるので、一般的なビジネスホテルを予約しようと思ったが、申し込むのが遅すぎたのか、学会発表が終わってから間に合う伊丹行きの便がすべて満席になっていた。
仕方なく、余計に一泊することになり、結局3泊4日の旅程になった。
当初2泊3日の予定で、病院には「往復の航空券と宿泊込みで約4万円です」と報告していたので、一泊増えたからといって、予算を上げるわけにもいかず、泊まるホテルを変更することにした。
3泊4日で値段が変わらないホテルとなると、それなりということになる。
昭和の匂いが漂っていた。
接客は悪くないが、施設と設備が…って感じだった。でも最上階に大浴場が付いている。しかも朝食付で一泊3900円。かなりリーズナブルだ。
部屋に入るとどういうわけかトリプルだった。
ベッドが3つ。泊まるのはOH!NO!DXが1人だけ。広々としていてなんとなく嬉しかったが、お化けが出そうな雰囲気だっ。
ここに3日間泊まるのか…。
でも、国際通りまで徒歩5分。気を取り直して国際通りへ出かけた。
とはいっても1人で沖縄料理店やステーキハウスに入る勇気はなく、夕方の国際通りを散策して、勢いでシーサーの置物を買ってしまった。
購入したシーサーの置物 |
昼食が遅かったためか、あまりお腹も減っていなかったので、ホテルへ帰って寝ることにした。
2日目は朝10時までにポスターを貼らないといけなかったので、無料送迎バスが出ている「おもろまち駅」へ。
2日目は朝10時までにポスターを貼らないといけなかったので、無料送迎バスが出ている「おもろまち駅」へ。
無料送迎バスに乗って一路、学会会場の「沖縄コンベンションセンター」へ。
会場に着くと早速参加登録をして、ポスターを貼った。
いつも思うが、ドクターの発表はおもしろい。演題そのもののクオリティーが高いのはもちろんだが、ディスカッションがいい。
すべてにおいて理路整然としている。訳のわからない質問や意見がないところに感動すら覚える。
まぁ当たり前といえば、当たり前なのだが、頭のいい人たちは違う。演題発表者や座長の立ち振る舞い、質問の仕方、すべてが勉強になる。
OH!NO!DX的には、今まで論文や本でしか名前を知らなかった人を目の前で見ることが出来て、ちょっと感動したりもした。
特に印象に残っているのは、宗田大先生や秋田恵一先生だ。
この2人の先生方はオーラが違った。
今までにも何人かの高名なドクターを見たことはあるが、同等以上の感覚を感じた。凄すぎる感じだ。宗田先生には恐怖心すら覚えた。
秋田先生の教育講演を聴講した。「股関節周囲筋群と骨盤出口筋についての臨床解剖」と題された講演。
股関節深層外旋六筋、特に内閉鎖筋と上下双子筋、梨状筋の発生学的視点からみた機能と解剖学的特徴についてだ。
これはかなり勉強になった。この講演を聴講するだけに飛行機代を払っても惜しくないくらいの内容だった。(まぁ今回は病院持ちですけど…)
学会一日目終了後、院長先生が高級ホテルで焼肉をご馳走してくだっさった。
今回は院長先生がわざわざOH!NO!DXの演題を聞きにきてくださったのだ。発表のご褒美のご馳走だ。もちろん院長先生のポケットマネーから。
先生と食事をしながら、臨床研究について、TKA術後の診療について、医療者として姿勢やあり方について、ご教授頂いた。
尊敬して止まない院長先生から直接いろいろご指導いただけた。贅沢で有意義な時間だった。
ビールにワインと気持ちよくお酒も飲めた。不思議なくらい緊張せずに自然にお話をさせていただくことができた。これも院長先生の凄さだと感じた。
高級ホテルでの夕食後、院長先生に挨拶をして、「お化けの出そうな雰囲気の部屋」に戻って、翌日の発表に備えることにした。
3日目、学会2日目の今日はいよいよOH!NO!DX自身の発表だった。
なにを隠そう、ドクターの学会で発表するのは今回が初めての経験だ。朝からかなり緊張したというか、聞いてくださるドクターの先生方の反応がどんなものなのかが不安だった。
ポスター会場 |
朝からいくつか演題を聴講したが、ほとんど頭に入らなかった。発表は12時40分からだったが、11時にはポスター会場に入り、発表原稿を何度も読み返した。
発表5分、質疑応答2分。
原稿はゆっくり読んでも4分30秒程度に仕上げていたし、沖縄に入る前から何度も練習していたが、緊張のあまりほとんど覚えていなかった。
OH!NO!DXのセクションの座長は東京医科歯科大学の関矢一郎先生だった。
滑膜幹細胞から半月板再生組織を作った、かの関矢先生が座長である。そのことがさらに緊張に拍車をかけた。
OH!NO!DXのポスターを見つめる人を遠くから見るたびに、嬉しいような、怖いような、複雑な心境だった。
発表時間までが、途方もなく長く感じたが、時計をみると発表時間5分前になっていた。
自分のポスター前に着くと、関矢先生を見つけた。早速関矢先生にご挨拶をした。気さくに挨拶をしてくださり、名刺交換もしていただけた。宝物をもらった感覚だった。
このブログを書く前にお礼のメールを関矢先生に送っておいた。
いよいよ発表が始まった。OH!NO!DXのセクションはTKAの術後成績という枠だったので、可動域改善に関わる内容の発表が続いた。OH!NO!DXはこのセクションのトリの発表だった。
正直なところ、前の演者の発表内容が全く頭に入ってこなかった。そして、とうとうOH!NO!DXが発表する番となった。
原稿の内容はとうに頭からすっ飛んでいた。何をしゃべったのか全く覚えていない。でも制限時間内に発表を終えていた。
九州大学と日本大学のドクターの先生から質問をいただいた。どう答えたのか、それすら曖昧な記憶しか残っていない。傍に院長先生が居てくださったので、本当に心強かったことだけは覚えている。
セクション終了後、PTの先生からの質問も受けた。厚意的な指摘と質問だったと記憶している。
東京の人工関節専門の病院でお勤めの先生だった。今度の日本理学療法士学術集会でも発表されるとのことで、OH!NO!DXも参加するので、今度はその先生の発表を聴きに行こうと思う。
また、今回発表した症例に使用されたTKAメーカーのsmith&nephewの営業の方が発表後、挨拶をしにきてくれた。
お話をしている中で、勉強会で人工関節のデモ機器をレンタルしてくださることになった。
いつでも貸してくださるとのこと。これも大きな収穫だった。
発表を終え、院長先生にお礼を言おうと思って周りを見たが、既にお帰りになられたようだった。月曜日出勤したら、まずお礼を言わなければならない。
自分の発表が終わってから、TKAの基礎研究とバイオメカの口述発表を聴いた。自分の発表までの時間がウソのように頭に入ってきた。
2D・3Dレジストレーションを用いた研究発表がほとんどだった。以前、整形外科リハビリテーション学会の特別講演で近良明先生が肩関節の動態解析について同様の研究をされていたのを聴いていたので、頭には入りやすかったが、PTの世界でこそ、本来はこういう研究をしなければいけないと感じる内容だった。
最後に「術者の育成」という内容のシンポジウムを聴講した。
自分自身が後輩や教え子を指導する立場になりつつある。OH!NO!DXがそれに相応しい知識と技術、人格を持っているとは思えないが、ところてん式になってしまっているので、仕方がない。
その中で、引用されていて心に残った言葉…
『やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。』 山本五十六(日本帝国海軍連合艦隊司令長官)
ドクターも後進の育成の難しさについて悩んでいるということに、少しほっとした感もあったが、若い理学療法士が高い意識を持って、臨床に、研究に、勤しむためには、先ずOH!NO!DX自身が高まらなければならないんだということを改めて感じた。
沖縄に来るまでは少しバカンス気分だったが、学会に参加してみると、結局バカンスどころではなくなっていた。でも、収穫の多かった3日間であったことに間違いはない。今回学んだことや、感じたことを来週からの臨床に活かして行きたい。そして、これからもしっかりと臨床成績を示していきたいと改めて心に誓った。
今はまた「お化けの出そうな部屋」でこのブログを書いている。今のところお化けは出ていない。
今からオリオンビールを飲んで、明日は飛行機の時間までの少しの間、沖縄を満喫したいと思う。
ぜったい旨いぞ、このオリオンビール(^-^)v
発表時間までが、途方もなく長く感じたが、時計をみると発表時間5分前になっていた。
自分のポスター前に着くと、関矢先生を見つけた。早速関矢先生にご挨拶をした。気さくに挨拶をしてくださり、名刺交換もしていただけた。宝物をもらった感覚だった。
このブログを書く前にお礼のメールを関矢先生に送っておいた。
いよいよ発表が始まった。OH!NO!DXのセクションはTKAの術後成績という枠だったので、可動域改善に関わる内容の発表が続いた。OH!NO!DXはこのセクションのトリの発表だった。
正直なところ、前の演者の発表内容が全く頭に入ってこなかった。そして、とうとうOH!NO!DXが発表する番となった。
原稿の内容はとうに頭からすっ飛んでいた。何をしゃべったのか全く覚えていない。でも制限時間内に発表を終えていた。
九州大学と日本大学のドクターの先生から質問をいただいた。どう答えたのか、それすら曖昧な記憶しか残っていない。傍に院長先生が居てくださったので、本当に心強かったことだけは覚えている。
セクション終了後、PTの先生からの質問も受けた。厚意的な指摘と質問だったと記憶している。
東京の人工関節専門の病院でお勤めの先生だった。今度の日本理学療法士学術集会でも発表されるとのことで、OH!NO!DXも参加するので、今度はその先生の発表を聴きに行こうと思う。
また、今回発表した症例に使用されたTKAメーカーのsmith&nephewの営業の方が発表後、挨拶をしにきてくれた。
お話をしている中で、勉強会で人工関節のデモ機器をレンタルしてくださることになった。
いつでも貸してくださるとのこと。これも大きな収穫だった。
発表を終え、院長先生にお礼を言おうと思って周りを見たが、既にお帰りになられたようだった。月曜日出勤したら、まずお礼を言わなければならない。
自分の発表が終わってから、TKAの基礎研究とバイオメカの口述発表を聴いた。自分の発表までの時間がウソのように頭に入ってきた。
2D・3Dレジストレーションを用いた研究発表がほとんどだった。以前、整形外科リハビリテーション学会の特別講演で近良明先生が肩関節の動態解析について同様の研究をされていたのを聴いていたので、頭には入りやすかったが、PTの世界でこそ、本来はこういう研究をしなければいけないと感じる内容だった。
最後に「術者の育成」という内容のシンポジウムを聴講した。
自分自身が後輩や教え子を指導する立場になりつつある。OH!NO!DXがそれに相応しい知識と技術、人格を持っているとは思えないが、ところてん式になってしまっているので、仕方がない。
その中で、引用されていて心に残った言葉…
『やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。』 山本五十六(日本帝国海軍連合艦隊司令長官)
ドクターも後進の育成の難しさについて悩んでいるということに、少しほっとした感もあったが、若い理学療法士が高い意識を持って、臨床に、研究に、勤しむためには、先ずOH!NO!DX自身が高まらなければならないんだということを改めて感じた。
沖縄に来るまでは少しバカンス気分だったが、学会に参加してみると、結局バカンスどころではなくなっていた。でも、収穫の多かった3日間であったことに間違いはない。今回学んだことや、感じたことを来週からの臨床に活かして行きたい。そして、これからもしっかりと臨床成績を示していきたいと改めて心に誓った。
今はまた「お化けの出そうな部屋」でこのブログを書いている。今のところお化けは出ていない。
今からオリオンビールを飲んで、明日は飛行機の時間までの少しの間、沖縄を満喫したいと思う。
ぜったい旨いぞ、このオリオンビール(^-^)v